乱舞らんぶ)” の例文
旧字:亂舞
ふしぎな独楽こま乱舞らんぶを、かれの技力ぎりょくかと目をみはる往来おうらいの人や行路こうろ閑人ひまじんが、そこでバラバラとぜに拍手はくしゅを投げる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
階下したの座敷の放歌ほうか乱舞らんぶは、夜ふけの静けさとともに高まって、まるで、藤屋を買いきったような騒ぎである。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
久慈たちは、クロクロ島に備付けの怪力線砲の偉力を、今更いまさらのように知って乱舞らんぶのかたちである。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「さあ、今年ことしふゆおどりおさめに、みんながうたって、さわいでくれ。」と、一人ひとりかみ命令めいれいすると、かぜは、凱歌がいかをあげ、いく百千まんなみは、をたたいて乱舞らんぶし、黒雲くろくもは、かみなりらして
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
あまりの奇怪なる器具の乱舞らんぶに、東助もヒトミも息をのんで、身動きもしなかった。そのときアルコール・ランプの燃える台の向こうから、例の特長のある咳ばらいが聞えた。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)