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中背
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ちゅうぜい
ふりがな文庫
“
中背
(
ちゅうぜい
)” の例文
「ござります。四十くらいの中肉
中背
(
ちゅうぜい
)
で、ほかに目だつところはございませぬが、たしかに左手の小指が一本なかったはずでござります」
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
老人は
痩
(
や
)
せぎすの
中背
(
ちゅうぜい
)
で、小粋な風采といい、流暢な江戸弁といい、
紛
(
まぎ
)
れもない下町の人種である。その頃には、こういう老人がしばしば見受けられた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
中背
(
ちゅうぜい
)
の
撫
(
な
)
で
肩
(
がた
)
の上にラファエルのマリア像のような線の首筋をたて、首から続く
浄
(
きよ
)
らかな
顎
(
あご
)
の線を細い
唇
(
くちびる
)
が締めくくり、その唇が少し前へ突き出している。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
瘠
(
や
)
せぎすの人が多いものですから、どっちかといえば瘠せ
方
(
がた
)
の顔で、まず、中肉……したがって身長なども
中背
(
ちゅうぜい
)
……
身体
(
からだ
)
全体
能
(
よ
)
く緊張した体格に致したことで
幕末維新懐古談:68 楠公銅像の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
引緊
(
ひきしま
)
った肉づきの
可
(
い
)
い、
中背
(
ちゅうぜい
)
で、……年上の方は、すらりとして、細いほど痩せている。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
八人の警吏が
各々
(
めいめい
)
弓張
(
ゆみはり
)
を照らしつつ
中背
(
ちゅうぜい
)
の浴衣掛けの
尻端折
(
しりはしおり
)
の男と、浴衣に
引掛
(
ひっか
)
け帯の女の前後左右を囲んで行く跡から四、五十人の自警団が各々
提灯
(
ちょうちん
)
を持ってゾロゾロ
従
(
つ
)
いて行った。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
大兵肥満
(
だいひょうひまん
)
でいらっしゃいますが、若殿様は
中背
(
ちゅうぜい
)
の、どちらかと申せば痩ぎすな御生れ立ちで、
御容貌
(
ごきりょう
)
も大殿様のどこまでも男らしい、神将のような
俤
(
おもかげ
)
とは、似もつかない御優しさでございます。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「さようのう。まず、ああいうふうのが中肉
中背
(
ちゅうぜい
)
と申そうが、
娑婆
(
しゃば
)
にいたときはよほどの荒仕事に従事いたしおったとみえて、骨格なぞは珍しいくらいがんじょうでござったわい」
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
見ると彼の
傍
(
かたわら
)
には、血色のいい、
中背
(
ちゅうぜい
)
の
細銀杏
(
ほそいちょう
)
が、止め桶を前に控えながら、濡れ手拭を肩へかけて、元気よく笑っている。これは風呂から出て、ちょうど上がり湯を使おうとしたところらしい。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“中背”の意味
《名詞》
中 背 (ちゅうぜ, ちゅうぜい)
中くらいの背丈。
(出典:Wiktionary)
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
“中”で始まる語句
中
中央
中間
中空
中々
中宮
中旬
中心
中原
中風