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下坐敷
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したざしき
折から
下坐敷より
杯盤を
運びきし
女の
何やらお
力に
耳打して
兎も
角も
下までお
出よといふ、いや
行き
度ないからよしてお
呉れ
或る
夜の
月に
下坐敷へは
何處やらの
工塲の一
連れ、
丼たゝいて
甚九かつぽれの
大騷ぎに
大方の
女子は
寄集まつて、
例の二
階の
小坐敷には
結城とお
力の
二人限りなり
今宵もいたく
更けぬ、
下坐敷の
人はいつか
歸りて
表の
雨戸をたてると
言ふに、
朝之
助おどろきて
歸り
支度するを、お
力は
何うでも
泊らするといふ、いつしか
下駄をも
藏させたれば