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上分別
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じょうふんべつ
ふりがな文庫
“
上分別
(
じょうふんべつ
)” の例文
そんならそうと早く注意してくれればいいのにと思いながら、彼はとにかく夫人の鑑定なり
料簡
(
りょうけん
)
なりをおとなしく結末まで聴くのが
上分別
(
じょうふんべつ
)
だと考えた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いやが上にも下に出て、とにかく、人が来るまでなだめて置くのが
上分別
(
じょうふんべつ
)
と思ったから、大迫玄蕃も一生懸命だ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
御大切
(
おたいせつ
)
なお
品
(
しな
)
ゆえ、
粗相
(
そそう
)
があってはならんよって、
速
(
はよ
)
うお
返
(
かえ
)
し
申
(
もう
)
すが
上分別
(
じょうふんべつ
)
と、
思
(
おも
)
い
立
(
た
)
って
参
(
さん
)
じました」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
いっこくもご
猶予
(
ゆうよ
)
は無用、この場で
伊那丸
(
いなまる
)
を首にいたし、あの
鎖駕籠
(
くさりかご
)
へは宝物のほうを入れかえにして、寸時もはやく
家康公
(
いえやすこう
)
へおとどけあるが
上分別
(
じょうふんべつ
)
とこころえます
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とかく人間と云う者は、何でも身のほどを忘れないように
慎
(
つつし
)
み深くするのが
上分別
(
じょうふんべつ
)
です。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
お宿にはほんの十四五人がつめているだけでござりますから、しょせん今のまにお討ちとりなされるのが
上分別
(
じょうふんべつ
)
かとぞんじます、いそぎ御決心なされて御にんずをお出しあそばされ
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
慾ばって二兎を追うよりも、一先ず不二子さんを大鳥家に連れ帰るのが
上分別
(
じょうふんべつ
)
だ。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これは両方を散らさぬ先に引き分けるが
上分別
(
じょうふんべつ
)
とは思い浮んだけれども、あまりによく気合が満ちているので、行司の自分も釣り込まれそうで、なんと合図の
挟
(
はさ
)
みようもないくらいです。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その
果
(
はて
)
がとうとう露人の病院に入院して肺結核という診断を受け、暫らくオデッサあたりに転地するかさなくば断然帰朝した方が
上分別
(
じょうふんべつ
)
であると、医師からも朋友からも切に忠告された。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
けれどもただ眼の前に、
美土代町
(
みとしろちょう
)
と小川町が、
丁字
(
ていじ
)
になって交叉している三つ角の
雑沓
(
ざっとう
)
が入り乱れて映るだけで、これと云って成功を
誘
(
いざな
)
うに足る
上分別
(
じょうふんべつ
)
は浮ばなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが何よりの
上分別
(
じょうふんべつ
)
、このさい一番の思いつきでございます……とあって、左膳は、成功後の
賞美
(
ほうび
)
を約して密々のうちに、つづみの与吉を奥州中村へ潜行させることになった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「それがおたがいの
上分別
(
じょうふんべつ
)
」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
忽然
(
こつぜん
)
安井の事を考え出した。安井がもし坂井の家へ
頻繁
(
ひんぱん
)
に
出入
(
でいり
)
でもするようになって、当分満洲へ帰らないとすれば、今のうちあの
借家
(
しゃくや
)
を引き上げて、どこかへ転宅するのが
上分別
(
じょうふんべつ
)
だろう。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“上分”で始まる語句
上分
上分上山