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三歳
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さんさい
年はじめて
三歳、
國君其の
色を
聞し
召し、
仍ち
御殿にお
迎へ
遊ばし、
掌に
据ゑられしが、
忽ち
恍惚となり
給ふ。
そは
稚き
三歳のむかしなれば。
日月にはともあらん、
夜分な
星にも
覗かすな、
心得たか、とのたまへば、
赤い
頭巾を
着た
親仁、
嘴を
以て
床を
叩き、
項を
垂れて
承り、
殿の
膝におはします、
三歳の
君をふうはりと、
白き
翼に
掻い
抱き