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七刻
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ななつ
ふりがな文庫
“
七刻
(
ななつ
)” の例文
「では、そちが召捕ってくる猶予として一
刻
(
とき
)
ほど待ってつかわそう。ウム、あの
七刻
(
ななつ
)
下りの陽が、あなたの奥甲賀の
山間
(
やまあい
)
に落ちるまでだぞ」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むさ苦しいぼろから頑丈な四肢を投げ出して、半ば口を開けている無心な寝顔に、
七刻
(
ななつ
)
さがりの陽射しがカッと躍っている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
佐平治
(
さへいじ
)
茶屋で支度をすまして、やおら、立ち上がって日ざしをみた。まだ
七刻
(
ななつ
)
にはかなり間がある。
諏訪
(
すわ
)
泊りには楽な時間。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ
七刻
(
ななつ
)
を過ぎたころ、
黄昏
(
たそがれ
)
には間のある時刻だが、剣山の高所、陽は遠く
山間
(
やまあい
)
に蔭って、
逆
(
さか
)
しまに
射
(
さ
)
す日光が
頂
(
いただき
)
にのみカッと
赫
(
あか
)
く、谷、
峡
(
かい
)
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
落合両部
(
おちあいりょうぶ
)
、中野
郷
(
ごう
)
一円、ずっと離れて多摩川の
武蔵境
(
むさしざかい
)
にしたところで、足達者というほどなら、もう
七刻
(
ななつ
)
ごろには帰って来てもいいはずです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「いいか、日は土用の初めの
辰
(
たつ
)
の日、時刻は
宵
(
よい
)
の六ツ半から
七刻
(
ななつ
)
の間、鹿野山の
額堂
(
がくどう
)
に集まることだぜ。忘れねえようによく耳へとめておけ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時刻は、寅の一点とあるから、寒烈な冬十月十日の、明けの
七刻
(
ななつ
)
(午前四時)に、暁起して、机にむかったものである。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十四日の
七刻
(
ななつ
)
下がりに、江戸表を立った早水藤左衛門と萱野三平のふたりは、百七十五里の長途を、不眠不休で、たった今ここへ着いたのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから
後
(
のち
)
、その明り取りへ首を出して、外の気配にばかり神経を
尖
(
とが
)
らしていますと、やがて陽ざしの
七刻
(
ななつ
)
近い頃、
狛家
(
こまけ
)
の召使いや数人の郷士たちが
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
辺りの樹々にも、
七刻
(
ななつ
)
ごろの日蔭が濃くなりかけていた。ちょうど、大玄関の脇にあたるお坊主部屋の前まで、今、一
挺
(
ちょう
)
の駕籠が
舁
(
かつ
)
ぎ込まれたのを彼は見ていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうだ、もう
夜半
(
よわ
)
ではない。五更といえば明け方である。今橋の上で聞いた
七刻
(
ななつ
)
が
辻集合
(
つじよりあい
)
の合図だった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小石川からのそのそと江戸の真ん中に出ると、もう
七刻
(
ななつ
)
下がり。
板新道
(
いたじんみち
)
の下水が、暑さに
沸
(
わ
)
いていた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七刻
(
ななつ
)
ごろ、
町風呂
(
まちぶろ
)
へ行って、
髪結
(
かみゆい
)
の家で茶をのんで、路地をもどってくると、
隣家
(
となり
)
の女按摩のお吉ッつぁんの前を通ると、家の中で、大きなくさめをした者がある。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
針葉樹の茂みから、涼やかに洩れる夏の陽も、
七刻
(
ななつ
)
近くに仰がれる峠の一筋道、由良の伝吉は、ふと行く手にあたって、二人の旅人が肩をならべて行くのに目をとめた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信長の死を、彼らが知ったのは、その日の
七刻
(
ななつ
)
下
(
さ
)
がり(午後四時)の頃だったから、宗治の切腹直後、誓書の交換が行われてから、わずか
一刻
(
いっとき
)
(二時間)ぐらいな後でしかない。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
江戸
朱引内
(
しゅびきうち
)
の境、八ツ山下の木戸を通りこえたのは、やがてその日の
七刻
(
ななつ
)
過ぎ——。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
美濃の
明知
(
あけち
)
から三州境へかかるこの峠も、
七刻
(
ななつ
)
を過ぎると
寂
(
さび
)
れだった。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七刻
(
ななつ
)
を過ぎているが、空はまだ浅黄いろに明るかった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遠く——
回向院
(
えこういん
)
の
七刻
(
ななつ
)
がうつつな耳に聞える。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まだ
七刻
(
ななつ
)
前じゃ、観て進ぜる」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刻
(
とき
)
、すでに
七刻
(
ななつ
)
ごろの
陽脚
(
ひあし
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌晩の
七刻
(
ななつ
)
になった。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「や。もう
七刻
(
ななつ
)
だ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七
常用漢字
小1
部首:⼀
2画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“七刻”で始まる語句
七刻限
七刻仕舞