“やっき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
躍起70.2%
躍気19.0%
憤然2.4%
厄鬼2.4%
焦気2.4%
熱気1.2%
焼気1.2%
躍鬼1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昨夕ゆうべの事を打ち明けてこれこれであったと話してしまえばそれまでである。母は無論躍起やっきになって、こっちに同情するに違ない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
顔はあおざめ、躍気やっきとなり、肉をきざみ、掘る。指は、それ自身、血にまみれた傷口きずぐちだ。そして、そこから、釣針が落ちる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
取外とりはずして言いかけて倏忽たちまちハッと心附き、周章あわてて口をつぐんで、吃驚びっくりして、狼狽ろうばいして、つい憤然やっきとなッて、「畜生」と言いざまこぶしを振挙げて我と我をおどして見たが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そこで富豪が厄鬼やっきとなります。そんな主張や輿論を掲げた。雑誌新聞デスクに投げ出し。これをどうしてくれるかなんどと。葉巻片手に政府を責めます。そこで政府は大いに困る。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……こっちがいっこう相手にしないもんだから先生焦気やっきとなりましてね、これでもか、これでもかというふうに、一日ましに法螺ほらの桁がひとつずつ上ってゆくんです。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
お勢が笑らいながら「そんなに真面目まじめにおなんなさるとこうるからいい」とくすぐりに懸ッたその手頭てさきを払らい除けて文三が熱気やっきとなり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付たべつけの感情をおこし覚えずも悄然しょうぜんと萎れ返ッたが、又悪々にくにくしい叔母の者面しゃっつらを憶出して又熱気やっきとなり、こぶしを握り歯を喰切くいしば
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それから皆が相談して「トルストイ」に何か進物をしようなんかんて「トルストイ」連は焼気やっきになって政府に面当つらあてをしているという通信だ。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いくら躍鬼やっきとなったところで、そう早急に始末のつく訳はないのだから、もうこれで五度のパンクでいかな膏薬万能のタイヤでもそうそう無理な治療が利こうはずもなし
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)