熱気やっき)” の例文
旧字:熱氣
お勢が笑らいながら「そんなに真面目まじめにおなんなさるとこうるからいい」とくすぐりに懸ッたその手頭てさきを払らい除けて文三が熱気やっきとなり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付たべつけの感情をおこし覚えずも悄然しょうぜんと萎れ返ッたが、又悪々にくにくしい叔母の者面しゃっつらを憶出して又熱気やっきとなり、こぶしを握り歯を喰切くいしば
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
よって更に出直して「大丈夫」ト熱気やっきとしたふりをして見て、歯を喰切くいしばッて見て、「一旦思い定めた事をへんがえるという事が有るものか……しらん、止めても止まらんぞ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)