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まどがは
しかし
汽車が
今將に
隧道の
口へさしかからうとしてゐる
事は、
暮色の
中に
枯草ばかり
明い
兩側の
山腹が、
間近く
窓側に
迫つて
來たのでも、すぐに
合點の
行く
事であつた。
下女を
入れて三
人の
小人數だから、
此六
疊には
餘り
必要を
感じない
御米は、
東向の
窓側に
何時も
自分の
鏡臺を
置いた。
宗助も
朝起きて
顏を
洗つて、
飯を
濟ますと、
此所へ
來て
着物を
脱ぎ
更へた。