“まどぎわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
窓際87.8%
窓側12.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おげんはがっかりと窓際まどぎわに腰掛けた。彼女は六十の歳になって浮浪を始めたような自己おのれの姿を胸に描かずにはいられなかった。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
医者も竜之助もまだ来る様子はないのに、お浜はしかと郁太郎を抱えたなり、その窓際まどぎわに立ちつくしているのでありました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
広子の聯想れんそうはそれからそれへと、とめどなしに流れつづけた。彼女は汽車の窓側まどぎわにきちりとひざを重ねたまま、時どき窓の外へ目を移した。汽車は美濃みの国境くにざかいに近い近江おうみ山峡やまかいを走っていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
宵の明星の姿が窓の外の空にあった。時々その一点の星の光を見ようとして窓側まどぎわに立つと、すさまじい群集の仏蘭西国歌を歌って通る声が街路まちの方に起った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)