“ほうちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
庖丁84.1%
庖刀4.7%
包丁3.7%
烹調1.9%
鳳鳥1.9%
宝鵰0.9%
放鳥0.9%
蜂蝶0.9%
鉋丁0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右手にとぎすました庖丁ほうちょうをもって、私をまな板の上にのせ、すんでのことに切ろうとしたとき、私はあまりの苦しさに大声をあげて
今や口へほうり込んだと思うと、彼女は戸棚のほうへ飛んで行き、まだ庖刀ほうちょうも入れてない五斤分の花輪形パンをもって来て、それをいそいそと彼のほうに差し出した。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
三四郎は台所から包丁ほうちょうを持って来た。三人で柿を食いだした。食いながら、先生と知らぬ男はしきりに地方の中学の話を始めた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
主人に説を聞くと、このすっぽんは豊前国駅館やっかん川の産で、煮るとき塩と醤油の他、何の調味料も加えなかったのであるという。むべなるかな、この旨味こそ真に烹調ほうちょうの理によって得たのである。
すっぽん (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
天文をうかがって吉兆をぼくし、星宿の変をみて禍福を憂喜し、竜といい、麒麟きりんといい、鳳鳥ほうちょう河図かと、幽鬼、神霊の説は、現に今日も、かの上等社会中に行われて、これを疑う者
物理学の要用 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そのとききょう越吉元帥えつきつげんすいは、手に鉄槌てっついをひっさげ、腰に宝鵰ほうちょうの弓をかけ、悍馬かんばをとばして陣頭にあらわれ、羗の射撃隊は弓をならべて黒鵰くろたかの矢を宙もくらくなるほど射つづけてくる。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お隣の赤さんのお追善ついぜんですもの。ほら、放鳥ほうちょうって云うでしょう。あの放鳥をして上げるんだわ。文鳥だってきっと喜んでよ。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
柳さくらをこきまぜて、都は花のやよい空、錦繍きんしゅうき、らんまん馥郁ふくいくとして莽蒼ぼうそう四野も香国こうこく芳塘ほうとうならずというところなし。燕子えんし風にひるがえり蜂蝶ほうちょう花にねんす。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼等があてと呼んでいる藁を固く束ねた台にのせて、一本一本鉋丁ほうちょうでしごき除るので紙漉きの工程から言えば、これが最初の作業であった。
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)