包丁ほうちょう)” の例文
聞くと、帳場の女は、横の肉切り台に向って包丁ほうちょうをうごかしていた数名の料理人に向って、女将軍のように、往来を指さして叫んだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三四郎は台所から包丁ほうちょうを持って来た。三人で柿を食いだした。食いながら、先生と知らぬ男はしきりに地方の中学の話を始めた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「待ちなよ、八、そいつは結び目を見て置き度い。お勝手から包丁ほうちょうを持って来て、縄の方を切ってくれ」
そうして包丁ほうちょうを以て親切な妹を殺したところが、それがず鳥になってガンコ・ガンコと啼いて飛去ったという。ガンコというのは多分頭の意味で、薯の筋だらけの悪い部分をいうのである。
らんを前に、一室のたくで、宋江は独りびやかに病後の心を養った。酒はよし、包丁ほうちょうもよし、うつわなども、さすが「天下有名楼」であった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生肝とりの大俎板おおまないたやら包丁ほうちょう水桶などをかついで来た子分どもをあわてて追い返してから、宋江へ向って訊いた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)