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ひやくり
が、
助け
出す
筈だつた
女房を
負つてなら……
麓の
温泉までは
愚な
事、
百里、
二百里、
故郷までも、
東京までも、
貴様の
手から
救ふためには、
飛んでも
帰るつもりで
居た。
鄰家に
道術の
士あり。
童顏白髮にして
年久しく
住む。
或時談此の
事に
及べば、
道士笑うて
曰く、それ
馬は、
日に
行くこと
百里にして
猶羸るゝを
性とす。
況や
乃、
夜行くこと
千里に
餘る。