-
トップ
>
-
にちやう
老爺の
手にも
小刀が
動く、と
双んで
二挺、
日の
光に
晃々と
閃きはじめた……
掌の
木の
枝は、
其の
小刀の
輝くまゝに、
恰も
鰭を
振ふと
見ゆる、
香川雪枝も、さすがに
名を
得た
青年であつた。
「
横に
俥が
二挺たゝぬ——
彼處ですか。」
それを
子供たちが
目笊で
伏せるのが、「
摘草をしたくらゐ
笊に
澤山。」と
言ふのである。
三光社の
境内は、
此の
邊で
一寸子供の
公園に
成つて
居る。
私の
家からさしわたし
二町ばかりはある。