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なりひゞ
越申上
置ざれば
叶ふ可らずと是も明朝
明六時のお太鼓に登城の用意を申付られたり
既にして
翌日御城のお太鼓
六の
刻限鼕々と
鳴響けば松平伊豆守殿には登城門よりハヤ
駕籠を
また
吾等の
頭の
上で
大空高う
鳴響くあの
奏樂も、
雲雀の
聲では
無いと
言はう。
去にたいよりも
此處に
居たいが
幾層倍ぢゃ。さ、
死よ、
來れ、
喜んで
迎へう! それがヂュリエットの
望ぢゃ。
一呼吸拔いて
置いて、
唐突に、ばり/\ばり/\、びしり、どゞん、
廊下の
雨戸外のトタン
屋根がすさまじく
鳴響く。ハツと
起きて、
廊下へ
出た。
退治る
氣ではない、
逃路を
搜したのである。