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なにくれ
請んや其中は母の
看病藥何呉と
定めて
不自由成んと此事のみ心に
懸り
牢舍したる我心を少しは
汲譯早く
現在に申上て
此苦みを
助けられよと申を
泉原は死骸の
側につきゝって、
何呉となく世話をやいた。
ば
例の如く
菩提寺へ
葬り
僅かなる
家財調度は
賣代なし夫婦が追善の
料として菩提寺へ
納め
何呉となく
取賄ひ
最信實に世話しけり
然ば村の人々も嘉傳次が
死を哀み感應院の
篤き
情を
感じけるとかや
番頭
傳兵衞と
云る者
預り
支配なし居たるが此處に吉之助を
遣して
諸藝の師を
撰み金銀に
拘らず
習はするに日々
生花茶の
湯其外遊藝彼是と是を