“とこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
左右23.1%
渡口15.4%
渡航15.4%
杜興7.7%
登晃7.7%
右左7.7%
塗工7.7%
都巷7.7%
都講7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左右とこうして、婦人おんなが、はげますように、すかすようにして勧めると、白痴ばかは首を曲げてかのへそもてあそびながら唄った。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「黄河の渡口とこうには夏侯惇かこうじゅんの部下秦琪しんきが、要害を守っておる。かならず、将軍の渡るをゆるすまい」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、諸君が大陸に渡航とこうしなかったのは、かえって諸君にさいわいでした。よし大陸に渡航したとしても、アルゼンチン共和国の町、あるいはチリー国の町に出るまでには、種々の困難こんなんがある。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
祝家しゅくけを中心に、西の扈家荘こかそう、東のわが李家荘りかそう、三家は一族同体の仲なのに。……そうだ、杜興とこう、使いの口不重宝ぶちょうほうのせいかもしれん。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その杜興とこうは、薊州の地に暴動があったときつかまって、後日、免囚めんしゅうとなってからも、しばらく楊雄ようゆうの世話になっていたことがある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一、柳生対馬、別所信濃両奉行登晃とこう御宮おみや御修覆につき、御山内ごさんない御普請小屋ごふしんごやを設け、ただちに火消しに関するお触れ書を出す。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
兄対馬守は造営奉行として、目下登晃とこう中なのだから源三郎が所要あって、そっちへ出むくことは、不自然ではない。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
取つ置いつ思案して右左とこうの挨拶も口には出ぬ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
と同時にグリスの塗工とこうも寒かった。そして、その全体の者にとって最も苦痛な点は、凍寒と、眠いということであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
……というのは妾がこの家に来てから十日も経たぬうちに天下はたちまち麻と乱れて兵馬へいば都巷とこうに満ち、迂濶うかつに外へも出られないようになった。……のみならず、お金はなくなる。家は荒廃する。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この年に躋寿館せいじゅかんで書を講じて、陪臣町医まちいに来聴せしむる例が開かれた。それが十月で、翌十一月に始てあらたに講師が任用せられた。はじめ館には都講とこう、教授があって、生徒に授業していたに過ぎない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)