“不重宝”の読み方と例文
読み方割合
ぶちょうほう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
祝家しゅくけを中心に、西の扈家荘こかそう、東のわが李家荘りかそう、三家は一族同体の仲なのに。……そうだ、杜興とこう、使いの口不重宝ぶちょうほうのせいかもしれん。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津田は挨拶あいさつに窮した。向うの口の重宝ちょうほうなのに比べて、自分の口の不重宝ぶちょうほうさが荷になった。彼は手持無沙汰てもちぶさたの気味で、ゆるく消えて行く葉巻の煙りを見つめた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ねえ、お久しい……二十……何年ぶりですか。私は口不重宝ぶちょうほうで、口に出しては何にもいえはいたしません。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)