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だいところ
ぞなし居たり感應院が
食事仕果し頃を計り寶澤も
油掃除を
成果て
臺所へ入來り
下男倶々食事をぞなしぬ
胸に一物ある寶澤が
院主の方を
なしけるが新道の
玄柳方にて
調合なし
貰はんと
出行體故素知らぬ
面に
臺所へ
立戻りたり又彼の
玄柳は毒藥のことを
請合けれども
針醫の事なれば
毒藥を
求めんこと
難しと思へば
風藥二
服を
「はてな。」と
思って、
馬吉がこわごわはい
出して、二
階からそっとのぞいてみますと、
折からさし
込む
月の
光で、さっきの
山姥が、
台所のお
釜の
前に
座って、
独り
言をいっているのが
見えました。