“せんちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
船長36.4%
尖頂18.2%
千町9.1%
占兆9.1%
専寵9.1%
洗腸9.1%
繊長9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まさにこのときともかたあらわれたる船長せんちょうは、矗立しゅくりつして水先を打瞶うちまもりぬ。俄然がぜん汽笛の声は死黙しもくつんざきてとどろけり。万事休す! と乗客は割るるがごとくに響動どよめきぬ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを彼以上によく感じたものがあったろうか? ウェーベルの森のそよぎの中に、または、北方の灰色の空に、ドイツ平原のはるかに、石の巨体と見通し尖頂せんちょうの大きな塔をそばだてている
ながめ千町せんちょう田面たのものみどりになびく風に凉みてしばらくいきをのぶとぞ聞えし又物部もののべおきな牛込うしごめにいませし頃にやありけん南郭なんかく春台しゅんだい蘭亭らんていをはじめとしてこのほとりの十五景を
円明の占兆せんちょうにあらわれたのは、つまりはこのことだったのだろう。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
はじめてお得になった男宮をことさら院の御珍重あそばすようになったことで、女一の宮の母女御も、こんなにまで専寵せんちょうの人をおつくりにならないでもいいはずであると
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
Sさんは午前に一度、日の暮に一度診察しんさつに見えた。日の暮には多加志たかし洗腸せんちょうをした。多加志は洗腸されながら、まじまじ電燈の火を眺めていた。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「そのゆび繊長せんちょうにして、爪は赤銅しゃくどうのごとく、たなごころ蓮華れんげに似たる」手を挙げて「恐れるな」と言う意味を示したのである。が、尼提はいよいよ驚き、とうとう瓦器がきをとり落した。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)