-
トップ
>
-
せうばう
隣の
火はほんのりと
空をぼかした。
隣の
庭には
自分の
村落から
他の
村落から
手桶や
飯臺へ
入れた
握り
飯が
數多く
運ばれた。
消防に
力を
竭した
群集は
白い
握飯を
貪つた。
消防の
群集は
殆んど
皮膚を
燒かれるやうな
熱さを
怖れて
段々遠ざかつた。
小さな
喞筒は
其熾な
焔の
前に
只一
條の
細い
短い
彎曲した
白い
線を
描くのみで
何の
功果も
見えなかつた。