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ざいもく
水はいまに
規則正しい波になって、
坑の中を走っていた。気ちがいのような
勢いでうずをわかせながら、
材木をおし流して、
羽のように
軽くくるくる回した。
果は
艇舷の
材木でも
打碎いて、
粉にして
飮まんかとまで、
馬鹿な
考も
起つた
程で、
遂に
日は
暮れ、
船底を
枕に
横つたが、
其夜は
空腹の
爲に
終夜眠る
事が
出來なかつた。
長兵衞は
見遣汝は
廻りの
髮結ならずや何故此所へ來り入らざる
差出口過言なり長助
那の者を
擲出せと云ひければ長助は
立掛り清三郎が
首筋を
掴みて
表へ
突出し
門口の
材木を