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きつぱう
旅順の
吉報傳はるとともに
幾干の
猛將勇士、
或は
士卒——
或は
傷つき
骨も
皮も
散々に、
影も
留めぬさへある
中に
夫は
天晴の
功名して、
唯纔に
左の
手に
微傷を
受けたばかりと
聞いた
時
幼君すなはち
褥間近く
近づけ
給ひて、「
豫て
申附けたる
儀はいかゞ
計らひしや」「
吉報を
齎し
候」
幼君嬉しげなる
御氣色にて、「そは
何よりなり、
早く
語り
聞せ」「さん
候、
某仰を
承り、 ...