“かんけん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寒暄31.6%
関鍵21.1%
観見10.5%
奸権5.3%
官嫌5.3%
官憲5.3%
看撿5.3%
管見5.3%
艱険5.3%
観賢5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それ以前とて会えば寒暄かんけんを叙する位の面識で、私邸を訪問したのも二、三度しかなかった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
にくしと思う川島片岡両家の関鍵かんけんは実に浪子にありて、浪子のこの肺患は取りも直さず天特にわれ千々岩安彦のために復讎ふくしゅうの機会を与うるもの、病は伝染致命の大患、武男は多く家にあらず
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ただにそればかりでなく、後醍醐と尊氏とのあいだには、疏通微妙そつうみみょうかんに、禅の眼があった。どっちも、禅の人である。その観見かんけんをとおして互いの人間をはかりあっているところがなくもない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日義卿奸権かんけんのために死す、天地神明しんめい照鑑上にあり、何の惜しむことかあらん〔松陰十五、六の少年を提げて、堂々たる諸侯の儀衛をかんとす。人みなその大胆に驚く。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
藩主より賞賜しょうしあれば部内の堤防に用い、貧民の肥料培養等の用に供し、種々仁政のあとあり。前原一誠の乱、その門人にして前原にくみせし者多し、みずからまた官嫌かんけんこうむる。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それが官憲かんけんに知れると、立ちどころに君は殺人魔として捕縛ほばくされるところだった。僕はそれを西一郎の手をて君の手に戻してやった
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けだシ典薬寮味原樹、掃部かもん寮大庭ガしょうナリ、摂津ノ国ニいたレバ神崎蟹島かにしま等ノ地アリ、此門連戸、人家絶ユルコトナク、倡女しょうじょ群ヲ成シテ扁舟へんしゅうさおサシ、舶ヲ看撿かんけんシテ以テ枕席ちんせきすすム、声ハ渓雲ヲ過ギ
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「はあ。然ういうことに願います。お仕事を仰せつかって以来、参考の為め広く伝記書類をあさって大分学問を致しました。これは私の管見かんけんですが、英雄というものは凡衆ぼんしゅうとは違うようでございます」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
菊池の前途もこの意味では艱険かんけんに富んでいそうである。巴里や倫敦を見て来た菊池、——それは会っても会わないでも好い。
「菊池寛全集」の序 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
昔、醍醐だいご帝の御代、御夢に弘法大師が現われ、檜皮色ひはだいろの御衣を着せるようにというお告げがあった。勅使中納言資澄すけすみ般若寺はんにゃじの僧観賢かんけんを連れて、高野山に上り、御廟ごびょうとびらを押し開いた。