関鍵かんけん)” の例文
即ち蕪村によって居士の俳句観をうかがうことは、単に天明期の一俳人を伝うるに止まらず、明治俳句を知る上の重大な関鍵かんけんになるのである。
「俳諧大要」解説 (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
にくしと思う川島片岡両家の関鍵かんけんは実に浪子にありて、浪子のこの肺患は取りも直さず天特にわれ千々岩安彦のために復讎ふくしゅうの機会を与うるもの、病は伝染致命の大患、武男は多く家にあらず
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
およそ今回の事件は、中、英、国際の紛争に非ずして、実は黄白こうはく消長の関鍵かんけんであり、これを換言すれば、即ち、亜洲黄色人種が、白種に滅亡せらるるの先導に非ずして他にはない。試みに思い給え。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
坂本は京都の関鍵かんけんだ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)