観見かんけん)” の例文
横面を取られるおこころなので。が、それとても駄目でござる。拙者看破いたしてござる……どうもな貴殿はまだまだ未熟だ。『観見かんけん』の業が定まっていませぬ。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ただにそればかりでなく、後醍醐と尊氏とのあいだには、疏通微妙そつうみみょうかんに、禅の眼があった。どっちも、禅の人である。その観見かんけんをとおして互いの人間をはかりあっているところがなくもない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)