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寒暄
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かんけん
ふりがな文庫
“
寒暄
(
かんけん
)” の例文
見ざりし世の人をその墳墓に
訪
(
と
)
ふは、生ける人をその家に訪ふとは異りて、
寒暄
(
かんけん
)
の辞を
陳
(
のぶ
)
るにも及ばず、手土産たづさへ行くわづらひもなし。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それ以前とて会えば
寒暄
(
かんけん
)
を叙する位の面識で、私邸を訪問したのも二、三度しかなかった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
例
(
れい
)
の通り
奥
(
おく
)
の
一間
(
ひとま
)
にて先生及び夫人と
鼎坐
(
ていざ
)
し、
寒暄
(
かんけん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
了
(
おわ
)
りて先生先ず口を開き、この
間
(
あいだ
)
、十六歳の時
咸臨丸
(
かんりんまる
)
にて
御供
(
おとも
)
したる人
来
(
きた
)
りて夕方まで
咄
(
はな
)
しましたと、夫人に
向
(
むか
)
われ
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
その頃
新
(
あらた
)
に隣家へ引移ッて参ッた官員は家内四人
活計
(
ぐらし
)
で、細君もあれば娘もある。隣ずからの
寒暄
(
かんけん
)
の挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のように
訪
(
とい
)
つ
訪
(
とわ
)
れつした。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
寒暄
(
かんけん
)
の挨拶よりも一層低い声で、且極めて何気ないやうな軽い調子で「その後何かお書きになりましたか。」或は「何かお読みになりましたか。」といふのである。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
西洋にては男子は
寒暄
(
かんけん
)
にかかはらず扇子を手にすることなし。扇子は婦人の形容に携ふるものたる事なほ男子の杖におけるが如し。されば婦人にても人の面前にては扇を開きてあふぐ事なし。
洋服論
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“寒暄”の意味
《名詞》
寒 暄(かんけん)
寒暖。
(出典:Wiktionary)
寒
常用漢字
小3
部首:⼧
12画
暄
漢検1級
部首:⽇
13画
“寒”で始まる語句
寒
寒気
寒氣
寒空
寒風
寒冷
寒々
寒竹
寒鴉
寒天