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かうのしん
耳に
挾み神奈川より付て參り
江尻に於て其
侍士を切殺し
金銀諸品奪ひ取候と申立ければ
潔よき白状
神妙なり又
幸之進を殺せしは
誰にて
馬士を殺たるは誰なるやと
尋られしに幸之進を
討其
手筋にて科人相知れ其身の
本望公邊への御奉公
神妙に思召
幸之進取れ候
金子の中四百兩
相殘り候に付瀬川へ下さるゝ間
母諸共
流浪致さぬ樣取計らひ
遣せと申渡され
皆々有難き旨之を
上舊尼ヶ
崎の
藩中小野田幸之進と申者にて
主用有之上方へ
登り候
時江尻宿にて
盜賊の爲に
切害に
逢主人の金四百五十
兩并に其身
用意の
金二十
兩衣類大小まで
奪ひ取られ家も
斷絶仕つりしのみか
盜賊の爲に
殺害致されしは武士の
恥辱とて一家中
幸之進の
噂以ての
外宜からず
如何にも
口惜く
存候まゝ神佛へ
誓を