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			おとゝし
		
		  
	
	
	
	
	
		
		
			五十
軒によき
得意塲は
持たりとも、
内證の
車は
商賣ものゝ
外なれば
詮なく、十三になれば
片腕と
一昨年より
並木の
活版所へも
通ひしが、
怠惰ものなれば
十日の
辛棒つゞかず
 
		
			幸「だから無闇に
喋舌っちゃアいけねえてんだ、
掛合に成るよ、此の事に付いて
一昨年大変に難儀をした者があるんだよ」
 
		
			しばしやどかせ
春のゆく
衞と
舞ひくるもみゆ、かすむ
夕べの
朧月よに
人顏ほの/″\と
暗く
成りて、
風少しそふ
寺内の
花をば
去歳も
一昨年も
其まへの
年も、
桂次此處に
大方は
宿を
定めて