“いなびぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
印南野50.0%
稲日野50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おきとほつてゐて、印南野いなびぬ草原くさはらを、はるかにてゐる。そのうちに、とほ加古川かこかは川口かはぐちえてた。あの川口かはぐちは、つてゐるんだ。なつかしい舟泊ふなどまりのあるところだ。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
どこもみななごりしいが、いまとほつてゐる播州ばんしゆう海岸かいがん印南野いなびぬも、とほりすぎきれないほどになつかしくおもつてゐると、ちょうどむかうのほうに、なんだか、ちかよつてきたいこゝろおこさせる
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
なんだかはじめてのかたには、外國語がいこくごでもいてゐるかんじがするかもれません。印南野いなびぬといふのは、播州ばんしゆう海岸かいがんひろわたつた地名ちめいで、加古川かこがは中心ちゆうしんとして、印南郡いなぐん加古郡かこぐんひろがつてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
稲日野いなびぬ印南野いなみぬとも云い、播磨の印南郡の東部即ち加古川流域の平野と加古・明石あかし三郡にわたる地域をさして云っていたようである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
広々とした稲日野いなびぬ近くの海を航していると、舟行が捗々はかばかしくなく、種々ものおもいしていたが、ようやくにして恋しい加古の島が見え出した、というので
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
稲日野いなびぬぎがてにおもへればこころこほしき可古かこしまゆ 〔巻三・二五三〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)