“ありしま”の漢字の書き方と例文
語句割合
有島100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私たち一家は、この冬を、羊蹄山麓ようていさんろくの疎開先で送った。此処ここ有島ありしまさんの『カインの末裔』の土地であって、北海道の中でも、とくに吹雪の恐ろしいところである。
早速さつそく小音曲師せうおんぎよくし逃亡かけおちはなしをすると、木下きのしたさんのはるゝには、「大方おほかたそれは、有島ありしまさんのいけかへつたのでせう。かへる隨分ずゐぶんとほくからももとつちかへつてます。」とつてはなされた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ついおもふのに、本當ほんたううかはらないが、かへるこゑは、隨分ずゐぶんおほきく、たかいやうだけれども、あまとほくてはひゞかぬらしい。有島ありしまさんのいけは、さしわたし五十間ごじつけんまでははなれてまい。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
里見弴さとみとんさんが、まだ本家ほんけ有島ありしまさんになすつた、お知己ちかづきはじめころであつた。なにかの次手ついでに、此話このはなしをすると、にはいけにはいくらでもいてる。……そんなにきなら、ふんづかまへてげませう。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
馴染なじみの一家族のねぐらなので、前通りの五本ばかりの桜の樹(有島ありしま家)にも一群ひとむれ巣を食っているのであるが、その組は私の内へは来ないらしい、持場が違うと見える)——時に、女中がいけぞんざいに
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)