“えんび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:エンビ
語句割合
燕尾34.5%
猿臂31.0%
艶美17.2%
婉美3.4%
燕尾服3.4%
縁引3.4%
艶媚3.4%
艶眉3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ごまかすことができようとは思いもよらなかった。するとメルキオルはうまい考えを思いついた。燕尾えんび服をきせて白いえり飾をつけさせようときめた。
スルト今まで居眠りをしていた剛力先生、二人共ノソノソやって来て、吾輩等の背後うしろから猿臂えんびを伸ばして水筒をつかもうとする。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
後に残した華やかな客間を、心の中で唾棄だきした。夫人の艶美えんびな微笑もみつのような言葉も、今はくうの空なることを知った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
婉美えんびというのはこういう女達を指すのではないかと思う。
淡紫裳 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
野沢屋の主人あるじの囲い者で、栄華をきわめ贅沢ぜいたくをしつくしていた、お蝶さんという権妻ごんさいのひっかかりだったのだが、そんな縁引えんびきがありながら、盲目のこととて、新入門の弟子の体にさわって見たらば
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かれは床几を立つ。人々お沢をだきすくめて床几にす。黒髪高く乱れつつ、一本ひともとの杉のこずえに火をさばき、艶媚えんびにして嫋娜しなやかなる一個の鬼女きじょ、すっくと立つ——
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もどかしい思いが積ッて自然、不満がかもされる。艶眉えんびがそれをえんじて見せても宋江には通じないのだから、なお焦々いらいらするし、しまいには男を小馬鹿にしたくなってきた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)