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猿臂
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えんび
ふりがな文庫
“
猿臂
(
えんび
)” の例文
弓を捨てると、馬超は、
銅
(
あかがね
)
づくりの八角棒を持って、張飛を待った。張飛の
蛇矛
(
じゃぼこ
)
は、彼の
猿臂
(
えんび
)
を加えて、二丈あまりも前へ伸びた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
スルト今まで居眠りをしていた剛力先生、二人共ノソノソやって来て、吾輩等の
背後
(
うしろ
)
から
猿臂
(
えんび
)
を伸ばして水筒を
掴
(
つか
)
もうとする。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
だッと掴みかかろうとしたのを、静かにするりとかいくぐっておいて、疾風のように逃げ出そうとした女スリを横抱きに
猿臂
(
えんび
)
を伸ばしざま抱きとると
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
正造は殺気立って、議長の袖をとらえようと
猿臂
(
えんび
)
をのばしたが、守衛たちに阻まれて無理やりに退場させられた。
渡良瀬川
(新字新仮名)
/
大鹿卓
(著)
太郎は、すばやく
猿臂
(
えんび
)
をのべて、浅黄の
水干
(
すいかん
)
の
襟上
(
えりがみ
)
をつかみながら、相手をそこへ引き倒した。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
と云いつつ突然ぐいと
猿臂
(
えんび
)
を伸ばしてルパンの
襟頸
(
えりくび
)
を掴んだ。何たる無礼の振舞だ!ルパンたるものいかにしてかくのごとき
暴戻
(
ぼうれい
)
に忍び得よう。いわんや婦人の面前である。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
とうとう、追手の
猿臂
(
えんび
)
が乞食の
襟髪
(
えりがみ
)
にかかった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
吾輩に向い合って腰掛けていたのは頬骨の高いハイカラ紳士、物をもいわず
猿臂
(
えんび
)
を伸ばして、吾輩が外を眺めている車窓の日除け
扉
(
ど
)
を閉ざす。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
と言うように
猿臂
(
えんび
)
を伸ばして、京弥の背に手を廻そうとしたのを、体を沈めて素早く腰車にかけると、もんどり打たして笑止なる化け大名をとって投げました。
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
太郎もまたその
刹那
(
せつな
)
に
猿臂
(
えんび
)
をのばし、弟の
襟上
(
えりがみ
)
をつかみながら、必死になって引きずり上げる。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イヤ
出
(
で
)
なくても、
人
(
ひと
)
の
弱點
(
じやくてん
)
に
乘
(
じやう
)
ずる
事
(
こと
)
の
早
(
はや
)
い
猛狒
(
ゴリラ
)
は、
忽
(
たちま
)
ち
彼方
(
かなた
)
の
崖
(
がけ
)
から
此方
(
こなた
)
の
鐵車
(
てつしや
)
の
屋根
(
やね
)
に
飛移
(
とびうつ
)
つて、
鐵檻
(
てつおり
)
の
間
(
あひだ
)
から
猿臂
(
えんび
)
を
延
(
のば
)
して、
吾等
(
われら
)
を
握
(
つか
)
み
出
(
だ
)
さんず
氣色
(
けしき
)
、
吾等
(
われら
)
は
一生懸命
(
いつせうけんめい
)
に
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
したり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“猿臂”の意味
《名詞》
猿の腕。
猿のように長い腕。
(出典:Wiktionary)
猿
常用漢字
中学
部首:⽝
13画
臂
漢検1級
部首:⾁
17画
“猿臂”で始まる語句
猿臂将軍