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燕尾
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えんび
ふりがな文庫
“
燕尾
(
えんび
)” の例文
そもそも水矢の鏑には、普通には
燕尾
(
えんび
)
、
素槍形
(
すやりがた
)
、
蟹爪
(
かにづめ
)
のいずれかをもちいますのが方式。しかるに、この傷は
猪目透
(
いのめすかし
)
二字切となっております。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ごまかすことができようとは思いもよらなかった。するとメルキオルはうまい考えを思いついた。
燕尾
(
えんび
)
服をきせて白い
襟
(
えり
)
飾をつけさせようときめた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
全員ことごとく
燕尾
(
えんび
)
服というときに、饗応役の自分だけは何事も知らず、紋附、袴で出かけてゆく筈はあるまい。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
毛の硬いもみあげが
旋風
(
つむじ
)
を描き、
節級冠
(
せっきゅうかん
)
の
燕尾
(
えんび
)
がこの者の俊敏さをあだかも象徴しているようにみえる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金筋のはいった英国風の
燕尾
(
えんび
)
服を着せて、もっと家柄の高い旧家同様の
習慣
(
しきたり
)
に改めなければ自分の友達たちが来ても、肩身が狭くて仕方がない……というのであった。
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
燕尾
(
えんび
)
服をつけた給仕が、銀盆に一枚の名刺を置いて、ものものしく妾達の卓子の前で、黒い尾を折りました。支配人が妾に面会人を告げたのですが、妾は機械的に首を横にふりました。
バルザックの寝巻姿
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
アッシェンバッハは右舷のほうへ歩を移した。そこに例のせむし男が、かれのために寝椅子をひろげておいてくれたのである。そしてしみだらけの
燕尾
(
えんび
)
服を着た
給仕
(
スチュワアド
)
が、かれの用向をたずねた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
その上衣は軽いラシャで、広い折り
襟
(
えり
)
と、長い
燕尾
(
えんび
)
と、大きな鉄のボタンとがついていた。それに加うるに、短いズボンと留め金つきの
靴
(
くつ
)
。そしていつも両手をズボンのポケットにつっ込んでいた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
けれど老成してござるから
聖
(
ひじり
)
といってもおかしくない。
盲
(
めしい
)
最上の
位
(
くらい
)
なので、
緋
(
ひ
)
の
衣
(
ころも
)
に、検校帽子をかぶり、後ろに
燕尾
(
えんび
)
を垂れて行くさまは、
唐画
(
とうが
)
の人を見るようじゃったな
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
傷口に依って考えると、この太刀は、下からしゃくり上げて、しかも
燕尾
(
えんび
)
に
刎
(
は
)
ね返したものらしい。さもなければこう鮮やかに、頸動脈を狙って、貝の肉を
削
(
そ
)
ぐように
抉
(
えぐ
)
れている筈はない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
燕
漢検準1級
部首:⽕
16画
尾
常用漢字
中学
部首:⼫
7画
“燕尾”で始まる語句
燕尾服