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瞬間
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しゆんかん
ふりがな文庫
“
瞬間
(
しゆんかん
)” の例文
おつぎが
忙
(
いそが
)
しくどさりと
臼
(
うす
)
へ
落
(
おと
)
したふかしからぼうつと
白
(
しろ
)
い
蒸氣
(
ゆげ
)
が
立
(
た
)
つた。
其
(
そ
)
の
蒸氣
(
ゆげ
)
の
中
(
なか
)
に
月
(
つき
)
が一
瞬間
(
しゆんかん
)
目
(
め
)
を
蹙
(
しか
)
めて
直
(
すぐ
)
につやゝかな
姿
(
すがた
)
に
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その
父
(
ちゝ
)
と子の心と心とが
歔欷
(
きよき
)
の中にぴつたり抱き合ふ
瞬間
(
しゆんかん
)
の
作者
(
さくしや
)
の筆には、恐ろしい程
眞實
(
しんじつ
)
な
愛
(
あい
)
の
發露
(
はつろ
)
を
鋭
(
するど
)
く
描
(
ゑが
)
き出してゐるではありませんか。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『それ
發射
(
はつしや
)
!。』と
私
(
わたくし
)
が
叫
(
さけ
)
ぶ
瞬間
(
しゆんかん
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
隙
(
すか
)
さず
三發
(
さんぱつ
)
まで
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
したが、
猛狒
(
ゴリラ
)
は
平氣
(
へいき
)
だ。
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
瞬間
(
しゆんかん
)
、思はず幽霊ぢやないか! と思つて、仰天の叫び声を挙げた程だつたが、あれは実際生きた人間そのまゝの風情だ——婦人連の面あてに
夜の奇蹟
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
同時に非常な
疲労
(
つかれ
)
を感じた。
制帽
(
せいぼう
)
を
冠
(
かぶ
)
つた
額
(
ひたひ
)
のみならず汗は
袴
(
はかま
)
をはいた帯のまはりまでしみ出してゐた。
然
(
しか
)
しもう一
瞬間
(
しゆんかん
)
とても休む気にはならない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
間
(
ま
)
もなく、K
夫人
(
ふじん
)
は
間
(
あひだ
)
の
襖
(
うすま
)
を
開
(
あ
)
けて
吃驚
(
びつくり
)
した。
瞬間
(
しゆんかん
)
、
自殺
(
じさつ
)
かと
狼狽
(
らうばい
)
した
程
(
ほど
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
は
多量
(
たりやう
)
の
咯血
(
かくけつ
)
の
中
(
なか
)
にのめつてゐた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
一
秒
(
べう
)
に
砂
(
すな
)
一
粒
(
りふ
)
、
幾億萬年
(
いくおくまんねん
)
の
後
(
のち
)
には、
此
(
こ
)
の
大陸
(
たいりく
)
を
浸
(
ひた
)
し
盡
(
つく
)
さうとする
處
(
ところ
)
の
水
(
みづ
)
で、いまも、
瞬間
(
しゆんかん
)
の
後
(
のち
)
も、
咄嗟
(
とつさ
)
のさきも、
正
(
まさ
)
に
然
(
しか
)
なすべく
働
(
はたら
)
いて
居
(
ゐ
)
るのであるが
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
口をあけかかつた
瞬間
(
しゆんかん
)
、平次の冷たい眼にであふと、急にどなる元気がなくなつて、「もういいからあつちへ行け。」と相手に
不機嫌
(
ふきげん
)
さうにいふのでありました。
鳥右ヱ門諸国をめぐる
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
とつて
返
(
かへ
)
して
助
(
たす
)
け
出
(
だ
)
さうとする
中
(
うち
)
、
主要動
(
しゆようどう
)
のために
家屋
(
かおく
)
は
崩壞
(
ほうかい
)
し
始
(
はじ
)
めたので、
東湖
(
とうこ
)
は
突差
(
とつさ
)
に
母堂
(
ぼどう
)
を
屋外
(
おくがい
)
へ
抛
(
はう
)
り
出
(
だ
)
した
瞬間
(
しゆんかん
)
、
家屋
(
かおく
)
は
全
(
まつた
)
く
先生
(
せんせい
)
を
壓伏
(
あつぷく
)
してしまつたが
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ちらりと、——
見
(
み
)
えたと
思
(
おも
)
ふ
瞬間
(
しゆんかん
)
には、もう
見
(
み
)
えなくなつたのですが、
一
(
ひと
)
つにはその
爲
(
ため
)
もあつたのでせう、わたしにはあの
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
が、
女菩薩
(
によぼさつ
)
のやうに
見
(
み
)
えたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
昔から
釘附
(
くぎつけ
)
に為てあると計り思つて居た内陣と本堂との
区劃
(
しきり
)
の戸を開けると云ふ事は、
少
(
すくな
)
からず小供の
好奇
(
かうき
)
の心を躍らせたが、
愈々
(
いよ/\
)
左から三枚目の戸に手を掛ける
瞬間
(
しゆんかん
)
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
熊野
(
くまの
)
の
山
(
やま
)
めぐりをした
時
(
とき
)
の
歌
(
うた
)
ですが、
沖
(
おき
)
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れて
浮
(
うか
)
んでゐる
鳥
(
とり
)
のような
船
(
ふね
)
、それが
今
(
いま
)
、そこにをつたかと
思
(
おも
)
ふと、
瞬間
(
しゆんかん
)
の
目
(
め
)
も
及
(
およ
)
ばない
遠
(
とほ
)
いところにかけつて
行
(
い
)
つてゐることよ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それを
君
(
きみ
)
が
書
(
か
)
きながら一
瞬間
(
しゆんかん
)
、
君
(
きみ
)
が
僕
(
ぼく
)
のことを
思
(
おも
)
つてくれた
記録
(
きろく
)
があるやうで、
僕
(
ぼく
)
にはそれがへんにうれしい。ハガキだからけふはこれだけ。そのうち
君
(
きみ
)
に
宛
(
あ
)
ててもつと
長
(
なが
)
く
書
(
か
)
かうよ。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
而
(
さう
)
して
其考
(
そのかんが
)
へは
唯
(
たゞ
)
一
瞬間
(
しゆんかん
)
にして
消
(
き
)
えた。
昨日
(
きのふ
)
讀
(
よ
)
んだ
書中
(
しよちゆう
)
の
美
(
うつく
)
しい
鹿
(
しか
)
の
群
(
むれ
)
が、
自分
(
じぶん
)
の
側
(
そば
)
を
通
(
とほ
)
つて
行
(
い
)
つたやうに
彼
(
かれ
)
には
見
(
み
)
えた。
此度
(
こんど
)
は
農婦
(
ひやくしやうをんな
)
が
手
(
て
)
に
書留
(
かきとめ
)
の
郵便
(
いうびん
)
を
持
(
も
)
つて、
其
(
そ
)
れを
自分
(
じぶん
)
に
突出
(
つきだ
)
した。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
火
(
ひ
)
は
乾燥
(
かんさう
)
した
藁束
(
わらたば
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
舐
(
ねぶ
)
つて、
更
(
さら
)
に
其
(
その
)
焔
(
ほのほ
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
から
遁
(
のが
)
れようとして
屋根裏
(
やねうら
)
を
偃
(
は
)
うた。それが
迅速
(
じんそく
)
な
火
(
ひ
)
の
力
(
ちから
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
の
活動
(
くわつどう
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何分
(
なんぷん
)
か
經
(
た
)
つた。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
の
兵士
(
へいし
)
が
私
(
わたし
)
の
體
(
からだ
)
に
左
(
ひだり
)
から
倒
(
たふ
)
れかかつた。
私
(
わたし
)
ははつとして
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
いた。その
瞬間
(
しゆんかん
)
私
(
わたし
)
の
左
(
ひだり
)
の
頬
(
ほほ
)
は
何
(
なに
)
かに
厭
(
い
)
やと
云
(
い
)
ふ
程
(
ほど
)
突
(
つ
)
き
上
(
あ
)
げられた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
左舷
(
さげん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
鬼
(
おに
)
か
蛇
(
じや
)
か、
知
(
し
)
つて
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
の
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
は
分
(
わか
)
らぬが、
今
(
いま
)
は
瞬間
(
しゆんかん
)
も
躊躇
(
ちうちよ
)
すべき
塲合
(
ばあい
)
でないと
考
(
かんが
)
へたので、
私
(
わたくし
)
は
一散
(
いつさん
)
に
走
(
はし
)
つて、
船橋
(
せんけう
)
の
下部
(
した
)
なる
船長室
(
せんちやうしつ
)
の
扉
(
ドーア
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それが
汽車
(
きしや
)
の
通
(
とほ
)
るのを
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
ながら、一
齊
(
せい
)
に
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げるが
早
(
はや
)
いか、いたいけな
喉
(
のど
)
を
高
(
たか
)
く
反
(
そ
)
らせて、
何
(
なん
)
とも
意味
(
いみ
)
の
分
(
わか
)
らない
喊聲
(
かんせい
)
を一
生
(
しやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
迸
(
ほとばし
)
らせた。するとその
瞬間
(
しゆんかん
)
である。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
枯
(
か
)
れた
樹木
(
じゆもく
)
、
乾
(
かわ
)
いた
石垣
(
いしがき
)
、
汚
(
よご
)
れた
瓦屋根
(
かはらやね
)
、目に
入
(
い
)
るものは
尽
(
こと/″\
)
く
褪
(
あ
)
せた寒い色をして
居
(
ゐ
)
るので、
芝居
(
しばゐ
)
を出てから一
瞬間
(
しゆんかん
)
とても
消失
(
きえう
)
せない
清心
(
せいしん
)
と
十六夜
(
いざよひ
)
の
華美
(
はで
)
やかな
姿
(
すがた
)
の
記憶
(
きおく
)
が
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
靜
(
しづ
)
かな、
穩
(
おだや
)
かな
日中
(
ひなか
)
に
處
(
しよ
)
して、
猶且
(
なほか
)
つ
暴風
(
ばうふう
)
に
揉
(
も
)
まれ、
搖
(
ゆ
)
らるゝ、
其
(
そ
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
の
趣
(
おもむき
)
あり。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
は
只
(
たゞ
)
涙
(
なみだ
)
がこみあげて
止
(
と
)
め
處
(
ど
)
もなく
悲
(
かな
)
しくさうしてしみ/″\と
泣
(
な
)
き
續
(
つゞ
)
けた。
勘次
(
かんじ
)
はそれを
聞
(
き
)
いた
瞬間
(
しゆんかん
)
肩
(
かた
)
の
唐鍬
(
たうぐは
)
を
轉
(
ころ
)
がしてぶつりと
土
(
つち
)
を
打
(
う
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、この
出來事
(
できごと
)
は
私
(
わたし
)
の
眠氣
(
ねむけ
)
を
瞬間
(
しゆんかん
)
に
覺
(
さ
)
ましてしまつた。
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
を
見透
(
みすか
)
すと、
人家
(
じんか
)
の
燈灯
(
ともしび
)
はもう
見
(
み
)
えなくなつてゐた。F
町
(
まち
)
は
夢中
(
むちう
)
で
通
(
とほ
)
り
過
(
す
)
ぎてしまつたのだつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『おー。
矢張
(
やつぱり
)
左樣
(
さう
)
だつた! あの
巡洋艦
(
じゆんやうかん
)
のガーフの
旗
(
はた
)
は、
我
(
わ
)
が
帝國
(
ていこく
)
の
軍艦旗
(
ぐんかんき
)
であつた※。』と、
彼
(
かれ
)
は、
今
(
いま
)
しも、
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
から
墮落
(
ついらく
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
に、ちらりと
認
(
みと
)
めた
同
(
おな
)
じ
模樣
(
もやう
)
の
海軍旗
(
かいぐんき
)
を
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
講和問題
(
かうわもんだい
)
、
新婦
(
しんぷ
)
、
新郎
(
しんらう
)
、
涜職事件
(
とくしよくじけん
)
、
死亡廣告
(
しばうくわうこく
)
——
私
(
わたくし
)
は
隧道
(
トンネル
)
へはひつた一
瞬間
(
しゆんかん
)
、
汽車
(
きしや
)
の
走
(
はし
)
つてゐる
方向
(
はうかう
)
が
逆
(
ぎやく
)
になつたやうな
錯覺
(
さくかく
)
を
感
(
かん
)
じながら、それらの
索漠
(
さくばく
)
とした
記事
(
きじ
)
から
記事
(
きじ
)
へ
殆
(
ほとんど
)
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は「まだ」と答へるのが
其
(
そ
)
の
瞬間
(
しゆんかん
)
男の
恥
(
はぢ
)
であるやうな気がして黙つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
飛乘
(
とびの
)
る
瞬間
(
しゆんかん
)
に
見
(
み
)
た
顏
(
かほ
)
は、
喘
(
あへ
)
ぐ
口
(
くち
)
が
海鼠
(
なまこ
)
を
銜
(
ふく
)
んだやうであつた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おい、
寢
(
ね
)
ちやあ
危
(
あぶな
)
いぞ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
度毎
(
たびごと
)
にハラハラして
彼
(
かれ
)
の
脊中
(
せなか
)
を
叩
(
たた
)
き
著
(
つ
)
けた。が、
瞬間
(
しゆんかん
)
にひよいと
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
いて
足元
(
あしもと
)
を
堅
(
かた
)
めるだけで、また
直
(
す
)
ぐにひよろつき
出
(
だ
)
すのであつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
下人は、それらの屍骸の
腐爛
(
ふらん
)
した臭氣に思はず、
鼻
(
はな
)
を掩つた。しかし、その手は、次の
瞬間
(
しゆんかん
)
には、もう鼻を掩ふ事を忘れてゐた。或る強い
感情
(
かんじやう
)
が、殆悉この男の嗅覺を奪つてしまつたからである。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こんな
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げると、きつとわたしはあなた
方
(
がた
)
より
殘酷
(
ざんこく
)
な
人間
(
にんげん
)
に
見
(
み
)
えるでせう。しかしそれはあなた
方
(
がた
)
が、あの
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ないからです。
殊
(
こと
)
にその一
瞬間
(
しゆんかん
)
の、
燃
(
も
)
えるやうな
瞳
(
ひとみ
)
を
見
(
み
)
ないからです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“瞬間”の解説
瞬間(しゅんかん)とは、ごく短い時間の事である。何か物事が起こってその直後の物事までの時間を測定できないくらいの間。
(出典:Wikipedia)
瞬
常用漢字
中学
部首:⽬
18画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“瞬間”で始まる語句
瞬間前
瞬間的
瞬間瞬間