)” の例文
新字:
神樣かみさま、どうかおきになつてください。わたしはあなたもよく御承知ごしやうちののんべえ です。わたしがのんべえ なためにいへ生計くらしくるまです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
〔譯〕閑想かんさう客感きやくかんは、志の立たざるに由る。一志既に立てば、百邪退きく。之を清泉せいせん湧出ようしゆつせば、旁水ばうすゐ渾入こんにふすることを得ざるにたとふべし。
ヂュリ よるといふ假面めんけてゐればこそ、でなくばはづかしさにこのほゝ眞赤まっかにならう、今宵こよひうたことをついおまへかれたゆゑ。
「まあ其麽そんなことゆはねえで折角せつかくのことに、勘次かんじさんもわる料簡れうけんでしたんでもなかんべえから」となだめても到頭たうとう卯平うへいかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そばをつとのゐることほとんどわすれて眞面目まじめいてゐるらしかつた。宗助そうすけうらやましいひとのうちに御米およねまで勘定かんぢやうしなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何卒どうぞ是非ぜひ一ついていたゞきたい、とふのは、じつ然云さういわけであるから、むしろきみ病院びやうゐんはひられたはう得策とくさくであらうとかんがへたのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたし是非ぜひ怠惰屋なまけやになるのだ、是非ぜひなるのだ』と言張いひはつてかない。さくらかはくどころか、いへすみはうへすつこんでしまつて茫然ぼんやりして居る。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
成程なるほどいてれば、わたくしおもあたふしいでもない。また、海賊船かいぞくせん海蛇丸かいだまる一條いちじやうについては、席上せきじやういろ/\なはなしがあつた。
またそのなかりさうなおくはらけやうとしてあたまつてるところました——それからまたしんなにいてるやうにもえました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
が、その時はもう平次と八五郎の話をいたお神樂の清吉が、拔けがけの功名こうみやうのつもりか、親分の萬七と一緒に、お富と吉太郎を縛つて居たのです。
しかし四十年後しじゆうねんご今日こんにちでも、日本につぽんでは殘念ざんねんながら考古學博物館こうこがくはくぶつかんがどこにもまうけられてゐませんから、みなさんはやはり先生せんせいくか、書物しよもつるかしなければ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
經驗と勞苦との臼にかれて有用になつた上等の麥粉のやうなものだといふやうなお説教をいて來る。
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)
玄竹げんちく多田院ただのゐん參詣さんけいはなし面白おもしろいなう。もう一やつてかさんか。』と、但馬守たじまのかみさかづきをあげた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
大氣焔だいきえんもつ威張ゐばらされるので、品川軍しながはぐん散々さん/″\敗北はいぼく文海子ぶんかいしかへりにつてれといふのもかず、望蜀生ぼうしよくせいれて、せツせとかへ支度じたくした。ぷツぷツおこつてゞある。
をんなせまいもの、つとつては一時いつとき十年じふねんのやうにおもはれるであらうを、おまへおこたりをわしせゐられてうらまれてもとくかぬことよる格別かくべつようし、はやつていてるがよからう
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昂奮こうふんしないでおきなさいツ。ではこれから自分達じぶんたちみちが、どんなにけはしい、文字もじどほりの荊棘いばらみちだつてことが、生々なま/\しい現實げんじつとして、おぢやうさん、ほんとにあなたにわかつてゐるんですか……
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
しかし、つきにしろ、暗夜やみにしろ、、おもれで、つてくとると、めぐり田圃たんぼをうろついて、きつねつままれたとおもはれるやうな時代じだいことではまぬ。たれなんあやしまれようもれないのである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つきなみひゞきもけにけり。たれか うきねのそでしぼるらむ
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
はととんび雀うぐひす矮雞ちやぼとりこの朝けばいろいろの鳥
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
朝には御堂みだうの鐘の聲をく。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かじとするにすべもなし
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ロミオ あれは自分じぶん饒舌しゃべるのをくことのきなをとこ一月ひとつきかゝってもやりれぬやうなことを、一分間ぶんかん饒舌しゃべてようといふをとこぢゃ。
が、またたゞち自分じぶんことものい、ことわかるものはいとでもかんがなほしたかのやうに燥立いらだつて、あたまりながらまたあるす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたくし默然もくねんとして、なほ其處そこ見詰みつめてると、暫時しばらくしてその不思議ふしぎなる岩陰いわかげから、昨日きのふ一昨日おとゝひいた、てつひゞきおこつてた。
「そんぢやとなり旦那だんなにでもようくはなしてもらつたらくかもんねえぞ、それよりほかあねえぞおめえ」ばあさんの一人ひとり卯平うへいむかつていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
けさもまづしい病詩人びやうしじんがほれぼれとそれをきいてゐました。ほかのものの跫音あしをとがすると、ぴつたりむので、だれもそれをいたものはありません。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
だまつてけ!』あいちやんが饒舌しやべしさうなので、グリフォンが注意ちういしました。海龜うみがめほもつゞけて、——
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
京師に至るに及んで、松平春嶽しゆんがく公を見て又之を告ぐ。慶喜公江戸城に在り、衆皆之にせまり、死を以て城を守らんことを請ふ。公かず、水戸に赴く、近臣二三十名從ふ。
私が三年越し岡惚をかぼれしてゐることを今晩こそはかせてやるから、何が何でも入つてゆつくりしろ——と、親爺の前で惚氣のろけを聞かせながら、また酒が始まつたでせう、いや、もう
石器時代せききじだい現今げんこんごと陶器窯たうきがまつくつて、其所そこ土器どきいたかいなか、それは輕々かる/″\しく言切いひきれぬが、馬籠まごめける燒土層やけつちさう廣大くわうだいなるをて、うして桂舟畫伯けいしうぐわはくせついてると
つゝみ枯草かれくさうへつて、但馬守たじまのかみおほきなこゑ新任しんにん挨拶あいさつねて一ぢやう訓示くんじ演説えんぜつをした。演説えんぜつすこしもみゝいためないでくことの出來できものは、おほくの與力よりき同心どうしんちうほとんど一人ひとりもなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
宗助そうすけ仕立卸したておろしの紡績織ばうせきおり脊中せなかへ、自然じねんんで光線くわうせん暖味あたゝかみを、襯衣しやつしたむさぼるほどあぢはひながら、おもておとくともなくいてゐたが、きふおもしたやうに、障子越しやうじごしの細君さいくんんで
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたしよりねがふことゝいふことばきもをはらずそれならばおはなしありおくださりますかとあやしの根問ねどひおたかさまおまへさまのおむねひとうかゞへばわけのすむことほかでもなしまことねえさまにおなりくださらぬかと決然きつぱりいはれて御串戯ごじやうだんわたしこそまこといもと思召おぼしめしてとふを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さてまた、弦月丸げんげつまる沈沒ちんぼつ間際まぎわに、船長せんちやうをはじめ船員せんゐん一同いちどう醜態しゆうたいは、ひとおどろいからざるなく、短氣たんき武村兵曹たけむらへいそうひからして
ほりそばへはぐんぢやねえぞ、衣物きものよごすとかねえぞ」おつぎがいふのをみゝへもれないで小笊こざるにしてはしつてく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ピータ 樂人がくじんさん、おゝ、樂人がくじんさん、「こゝろなぐさめ、こゝろなぐさめ」。乃公おいら陽氣やうきにさせてくれるなら、たのむ、かせてくれ、れいの「こゝろなぐさめ」を。
それをいた刹那せつなのわたしは、その神樣かみさまのやうなことをおつしや先生せんせいを、こゝろなかで、をあはせてをがんでゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
そこ彼等かれらあいちやんに爭論さうろん繰返くりかへしてかせました、みんながのこらず各々おの/\一時いちじはなすので、それを一々いち/\正確せいかくることは、あいちやんにとつて非常ひじよう困難こんなんでありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
くおきなさい、わたしなんにもぬすんだこともなし、貴方あなたなにいたしたことはいのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
〔譯〕獨得どくとくけんわたくしに似る、人其の驟至しうしおどろく。平凡へいぼんは公に似る、世其の狃聞ぢうぶんに安んず。凡そ人の言をくは、宜しく虚懷きよくわいにして之をむかふべし。狃聞ぢうぶん苟安こうあんすることなくんば可なり。
其上そのうへ宗助そうすけはある事情じじやうのために、一ねんとき京都きやうと轉學てんがくしたから、朝夕てうせき一所いつしよ生活せいくわつしてゐたのは、小六ころくの十二三の時迄ときまでである。宗助そうすけ剛情がうじやうかぬ腕白小僧わんぱくこぞうとしての小六ころくいまだに記憶きおくしてゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『うん、あのはなしか。あれは幾度いくどいても面白おもしろいな。』と、ひかけた但馬守たじまのかみは、不圖ふと玄竹げんちくたてあたまに、剃刀創かみそりきずが二ヶしよばかりあるのを發見はつけんして、『玄竹げんちく、だいぶあたまをやられたな。どうした。』
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)