“不圖”の読み方と例文
新字:不図
読み方割合
ふと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さればにてさふらふ別段べつだんこれまをしてきみすゝたてまつるほどのものもさふらはねど不圖ふと思附おもひつきたるは飼鳥かひどりさふらふあれあそばして御覽候ごらんさふらへ」といふ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
不圖ふと落付かぬ何やらの音が聞えた。紙とガラスの二重になつてゐる窓の障子の間にまひ込んだ何やらの羽蟲が立つる音である。
扨て公園の岡の茶店に憩ひながら、先刻の稚兒の事が不圖ふと胸に浮んだが、その稚兒が男だつたか女だつたか、はつきり記憶おぼえてゐなかつた。