仲間なかま)” の例文
つぎゆふべ道子みちこはいつよりもすこ早目はやめかせ吾妻橋あづまばしくと、毎夜まいよ顔馴染かほなじみに、こゝろやすくなつてゐる仲間なかま女達をんなたち一人ひとり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
『なあに、柳川君やながはくんには片附かたづけるやうな荷物にもつもないのさ。』と濱島はまじまこゑたかわらつて『さあ。』とすゝめた倚子ゐすによつて、わたくしこの仲間なかまいり
でもまあ無事ぶじでよかつた。人間にんげんめ! もうどれほど俺達おれたち仲間なかまころしやがつたか。これを不倶戴天ふぐたいてんてきとゆはねえで、なにふんだ。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
一人の坑夫こうふのことだって、あの二十人百人の仲間なかまがけっして見殺みごろしにはしないじゃないか。おまえさん、それはよく知っているくせに
殺し金百兩奪ひ取りしとて御所刑おしおきに成しとの噂を聞權三助十の兩人は怪敷あやしく思ひ橋本町八右衞門たなにも駕籠屋かごや仲間なかまる故彦兵衞が樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
河水かわみずは、行方ゆくえらずにながれてゆきました。まえにも、また、うしろにも、自分じぶんたちの仲間なかまは、ひっきりなしにつづいているのでした。
河水の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
六兵衛は、その生まれつきの馬鹿のために、仲間なかまからしょっちゅうからかわれて、とんまの六兵衛というあだ名をつけられていました。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
足跡からはんずると、ロボは狼群ろうぐんの先に立ってわなへ近よると、仲間なかまを止めて、自分ひとりでうまい工合ぐあいにかきだしてしまうらしい。
先生せんせいふた、翌日よくじつでした、使者しゝや手紙てがみもついまから生徒せいと數名すうめいれて遠足ゑんそくにゆくがきみ仲間なかまくははらんかといふ誘引さそひです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
右の腕には十、左の腕には呂宋文字るそんもじのいれずみをしているところから、野武士のぶし仲間なかまでは門兵衛を呂宋兵衛とよびならわしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またかや此頃このごろをりふしのお宿とまり、水曜會すゐようくわいのお人達ひとたちや、倶樂部ぐらぶのお仲間なかまにいたづらな御方おかたおほければれにかれておのづと身持みもちわるたま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
奈美子なみこしろきれあたまをくる/\いて、さびしいかれ送別そうべつせきにつれされて、別室べつしつたされてゐたことなぞも、仲間なかま話柄わへいのこされた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「だがね、きみ僕達ぼくたち仲間なかまをおよめにくれっていさえしなけりゃ、まあきみかおつきくらいどんなだって、こっちはかまわないよ。」
「お前なんかいらないよ。今にきつねが来たらお前たちの仲間なかまをみんなひどい目にあわしてやるよ。見ておいで」と足ぶみをしていました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このせつない覊絆きはんだっして、すこしでもかってなことをやるとなったらば、人間の仲間なかま入りもできない罪悪者ざいあくしゃとならねばならぬ。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
うん、そうだ! ガチョウ番の女の子のオーサと小さいマッツは、あのときぼくの仲間なかまだったっけ。あそこにまだいるだろうか。
たゞみなあまり仲間なかまづきあひがさかんにおこなはれたゝめに、うたは、おたがひによい影響えいきようばかりでなく、わるい流行りゆうこうおこすことになりました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
しよかうとしたときに、あいちやんは王樣わうさま小聲こゞゑで、一たい仲間なかまものどもにはれるのをきました、『みん放免はうめんする』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
もつとも、支那人しなじん麻雀マアジヤンしたしい仲間なかま一組ひとくみたのしむといふやうに心得こゝろえてゐるらしいが、近頃ちかごろ日本にほんのやうにそれを團隊的競技だんたいてききやうぎにまですゝめて
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
五人の仲間なかまはそんなとおくまでは行きません。けれども、おともだちのジャンのいえへ行くのには、たっぷり一キロは歩かなければならないのです。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
「それがわからなくて何うする——水に縁があつて土に縁がある場所、左吉松としめし合せた仲間なかまの惡者が、持出して溜池に沈めたに相違ない」
しやくにさわるけれど、だれ仲間なかまさそつてやらう。仲間なかまぶなららくなもんだ、なに饒舌しやべつてるうちにはくだらうし。』
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
次郎君じろうくん森川君もりかわくんは思えたのですが、じつはにらみあったのではありません。これが犬の仲間なかまではあいさつであります。
決闘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
やしゃ子ねずみまで何万なんまんなん千という仲間なかまのこらずぞろぞろ、ぞろぞろ、まっくろになって、ねこ陣取じんどっている横町よこちょうはらかってめていきました。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
追付おっつけクルトやズッコのお仲間なかまが日本人の余り知らない傑作の複製を挿図した椿岳画伝を出版して欧洲読画界を動揺する事がないとも限られない。
きやくのもてなしもしつくしてほとんど倦果うみはてつひには役者仲間なかまいひあはせ、川のこほりくだきて水をあび千垢離せんごりしてはれいのるもをかし。
勘次かんじ彼等かれら仲間なかまである。しかしながらかれ境遇きやうぐう異常いじやう刺戟しげきから寸時すんじ安住あんぢゆうせしむる餘裕よゆうたなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
同じ仲間なかま飴屋あめやが、大道で飴細工あめざいくこしらえてゐると、白服しろふくの巡査が、あめまへはなして、邪魔になつて仕方しかたがない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこで当然、落込んでいったのは、市井しせい無頼ぶらいの徒のむらがっている、自由で放縦な場処だった。そんな仲間なかまにはいるのに、なんの手間暇がいるであろう。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
だがおれは期待きたいする、おほくのおまへ仲間なかまは、やがてじうを×(20)に×(21)ひ、けんうしろに×(22)
事によるとまだ小娘こむすめであった私の母や、その友だち仲間なかまなどがそう言い始めたくらいがもとであるかもしれぬ。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
入営者の弟の沢ちゃんも、銀笛を吹く仲間なかまである。次ぎに送入営ののぼりが五本行く。入営者の附添人としては、岩公の兄貴の村さんが弟と並んで歩いて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
いつのころからか、山に大蛇おろちがでてきまして、いろんなけだものを取ってはべ、さる仲間なかままでもべ初めました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ぼくたちをむかえに来てくれた人足はその仲間なかまの所にいって、「おい、ちょっとそこをどきな」といったらみんな立ち上がった。そこにポチがまるまってていた。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
私達わたくしたちがそのとき面会めんかいした天狗てんぐさんの頭目かしらというのは、仲間なかまでもなかなかちからのある傑物えらものだそうでございまして、おじいさんがなにひと不思議ふしぎことせてくれとたのみますと
ただしたら、お茶をひいて仲間なかまに笑われることだと答えたそうであるが、彼らは日々の飯さえ遠慮して食い、終夜一すいもせぬことしばしばなるに、身体からだの苦しきよりは
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そうして、仲間なかまの一人が、どろぼうでないような風をして町へ行って、あの切りきざんだからだをぬすんで行った者を、見つけて来ることにしようと相談がきまりました。
あいつァ七八つの時分じぶんから、手習てならい仲間なかまでも、一といって二とさがったことのねえ手筋自慢てすじじまん
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
其所そこ來合きあはせた一紳士しんしが、貴君方あなたがたなにをするんですかととがめたので、水谷氏みづたにし得意とくい考古學研究かうこがくけんきう振舞ふりまはした。其紳士そのしんししきりに傾聽けいちやうしてたが、それではわたくし仲間なかまれてもらひたい。
もし其野宿そののじゆくなにかの練習れんしゆうとして效能こうのうみとめられてのことならば、それも結構けつこうであるけれども、病人びようにんまでもその仲間なかまれるか、また病氣びようきおこしてまでもこれを施行しこうするにおいては
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
だんだんにガンの仲間なかまや、いろいろなケモノたちと仲よしになることができました。
きやくからめてつた賃銀ちんぎんあたまでつかちにつかんでしりつこけに仲間なかまおとすのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わしらも、後悔こうかいしておる。ちと悪ふざけの度が過ぎました。それも、仲間なかまうち——と思えばこそ、まったく、貴殿のことは、拙者せっしゃなど、失礼ながら、弟のように思っておりましたからな。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
けだしその由縁ゆえんは、下等士族が、やや家産かさんゆたかなるを得て、仲間なかまの栄誉を取るべき路はただ小吏たるの一事にして、この吏人りじんたらんには必ず算筆の技芸を要するが故に、あたか毎家まいか教育の風を成し
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それはたゞひとつの下顎骨かがくこつでありますが、このほねあご内側うちがは引込ひつこみ、今日こんにち人間にんげんとはよほどちがつてゐますけれども、類人猿るいじんえんとはまつた別種べつしゆであり、もはや人間にんげん仲間なかまであることはあきらかであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
種馬として名馬めいば仲間なかまに加はるのは甚だ光榮を感ずべきことかも知れぬ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
給仕人きふじにん敵手あひてっこぬく手合てあひがあるが、足下おぬしその仲間なかまぢゃ。
「野郎、仲間なかまを突きやがったな、さあ承知ができねえ」
「……これは俺の柿や言うて、自分一人ひとりのもんと勝手にきめたかて、柿の方では、そんなこと知りよれへん。……これは俺の柿やときめるのは嘘や。だれの柿でもない、柿は柿の柿や、そやなかつたら、みんなの人の仲間なかま持ちや。」
「鱧の皮 他五篇」解説 (旧字旧仮名) / 宇野浩二(著)
仲間なかま石臼いしうすはちくり
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)