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鬼門關
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きもんくわん
第一場所が
惡いや、
鬼門關でおいでなさる、
串戲ぢやねえ。
怪しからず
霧が
掛つて
方角が
分らねえ。
飛脚は
大波に
漾ふ
如く、
鬼門關で
泳がされて、
辛くも
燈明臺を
認めた
一基、
路端の
古い
石碑。
途次、
彼の
世に
聞えた
鬼門關を
過ぎようとして、
不案内の
道に
踏迷つて、
漸と
辿着いたのが
此の
古廟で、べろんと
額の
禿げた
大王が、
正面に
口を
赫と
開けてござる、うら
枯れ
野に
唯一つ