高祖頭巾こそづきん)” の例文
良い女でした、蒼白い品の良い顏を見違へる筈もありませんが、何分、お高祖頭巾こそづきんかぶつて居たので、覗いて見るわけにも參りません
糸織いとおり小袖こそでかさねて、縮緬ちりめん羽織はおりにお高祖頭巾こそづきんせいたかひとなれば夜風よかぜいと角袖外套かくそでぐわいとうのうつりく、ではつてますると店口みせぐち駒下駄こまげたなほさせながら、太吉たきち
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「お高祖頭巾こそづきんを深くかぶつた若い女で、中へ通らずに、いきなり見料に小判を光らせて、あの謎を見せたと見ふんで——」
お京はお高祖頭巾こそづきん目深まぶかに風通の羽織着ていつもに似合ぬ宜きなりなるを、吉三は見あげ見おろして、お前何處へ行きなすつたの、今日明日は忙がしくておまんまを喰べる間もあるまいと言ふたでは無いか
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きやうはお高祖頭巾こそづきん眉深まぶか風通ふうつう羽織はおりいつも似合にあはなりなるを、吉三きちざうあげおろして、おまへ何處どこきなすつたの、今日けふ明日あすいそがしくておまんまべるもあるまいとふたではないか
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)