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駄法螺
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だぼら
ふりがな文庫
“
駄法螺
(
だぼら
)” の例文
川中島の合戦のごとき、今日の歴史家が或いは小幡勘兵衛の
駄法螺
(
だぼら
)
だろうと考えている物語までを、事も細かに叙述するを常とした。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
こういう人物の習いとして、苦しい懸け引きの必要上、
大仰
(
おおぎょう
)
な
駄法螺
(
だぼら
)
を吹いたこともあった。他人に対して誠意を欠くこともあった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
先日の話は嬉しがらせの
駄法螺
(
だぼら
)
だろう。常識で考えてみても分かるが、あの狂暴な羆がちょいとのことで、君らの手に入らないのは知れている。
香熊
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
これでまた、趣味と
駄法螺
(
だぼら
)
と洗練された技巧とにみちた、三百ペエジが読める。ああ、おれはおれの生活を、実に意のままにととのえたものだ。
道化者
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
『ええ、ろくでもない、幾世紀もかかって仕上げたような顔をしているが、その実、
駄法螺
(
だぼら
)
だ、荒唐無稽だ!』こうした考えが彼の頭を
掠
(
かす
)
めた。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
それで私は、わざと貴方に感付かれないように横浜の天洋ホテルでお眼にかかったのです。あの時に申上げたのは皆私の
駄法螺
(
だぼら
)
だったのですが……
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
が、いい加減な
駄法螺
(
だぼら
)
を聞かせられて、それで黙って恐れ入っては、制服の
金釦
(
きんボタン
)
に対しても、面目が立たない。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この自称飛行家は奇妙な事に支那そば一杯と、
老酒
(
ラオチュー
)
いっぱいで四五時間も
駄法螺
(
だぼら
)
を吹いて一円のチップをおいて帰って行く。別に御しゅうしんの女もなさそうだ。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
拠
(
よ
)
りどころのない
駄法螺
(
だぼら
)
なので、それをいかにももっともらしく、
真顔
(
まがお
)
を作って話すというのは、どうやらお品に弱点を握られ、今にもそこへさわられそうなのが
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
書を読めば万事につけて中道を失ひ
駄法螺
(
だぼら
)
を生涯の衣裳となし、剣を持てば騎士となつておみなごのために戦ふけれども連戦連敗、わが恋の報はれたるためしはない。
朴水の婚礼
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
学校で訓示演説でもする事があつたら、ブライアン氏並に
駄法螺
(
だぼら
)
と豪傑笑ひの効能でも述べ立てて
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しまいには『おや、大将、また
駄法螺
(
だぼら
)
を吹きはじめたな』と呟やいて、さっそく退散してしまう。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「今度は実際恐れ入りました。お母さんだっていつもの
駄法螺
(
だぼら
)
だと思っていたんです」
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もともと
出鱈目
(
でたらめ
)
と
駄法螺
(
だぼら
)
をもって、信条としている彼の言ゆえ、信ずるに足りないが、その言うところによれば、彼の祖父は代々
鎗
(
やり
)
一筋の家柄で、備前岡山の城主水野侯に仕えていた。
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
それは
衒学
(
げんがく
)
的で、冗漫で、古典的で、叙情的で、気取りすぎた、
嫌味
(
いやみ
)
たらしい、下等なものであって、外国的な調子をもってるように思われる、
駄法螺
(
だぼら
)
や
穿
(
うが
)
ちや露骨や機知などの混和だった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
言ってることがわかってるんでしょう、そのばかばかしい一口話がまっかな嘘だってことが。いったいあなたはなんのためにそんな
駄法螺
(
だぼら
)
を吹くんです?
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
...
駄法螺
(
だぼら
)
はよせ!」ここで正雪ギロリと睨み、「それに」とトンとむちを突いたが
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いや妖怪か
狒々
(
ひひ
)
かまたは
駄法螺
(
だぼら
)
かであろうと、勝手な批評をしても済むかも知れぬが、事例は今少しく実着でかつ数多く、またそのようにまでして否認をする必要もなかったのであります。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と
駄法螺
(
だぼら
)
を吹いたものだが、今日ではそんな言葉に騙される人はあるまい。
海豚と河豚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
さうすれば、私は
至極
(
しごく
)
月並
(
つきなみ
)
に、「書きたいから書く」と云ふ答をします。之は決して
謙遜
(
けんそん
)
でも、
駄法螺
(
だぼら
)
でもありません。現に今私が書いてゐる小説でも、正に判然と書きたいから書いてゐます。
はつきりした形をとる為めに
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「何に、頭は確かだよ。口から出まかせの
駄法螺
(
だぼら
)
を吹くんだ」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「エッ
駄法螺
(
だぼら
)
。あれはみんな嘘で……」
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「そのことならもうさっき言ったじゃないか、
駄法螺
(
だぼら
)
ばかり吹いていないで、証拠を言ってみろ!」
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「親父め到頭
駄法螺
(
だぼら
)
を吹き当てたよ」
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
駄法螺
(
だぼら
)
を吹くことも出来るのである。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
駄
常用漢字
中学
部首:⾺
14画
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
螺
漢検準1級
部首:⾍
17画
“駄法螺”で始まる語句
駄法螺吹家