馬士うまかた)” の例文
よ、隣のは筋がいぜ、はんぺんの煮込を御厄介になって、別に厚切なまぐろを取っておかあ、船頭、馬士うまかただ、お前とまた昔話でもはじめるから
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで馬三疋と馬士うまかたには賃銭をつかわして帰してしまいました。サラット先生の喜びは非常なものです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
馬士うまかたいい次第なりさつき雨 史邦ふみくに
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
出して、(しょうろく四銭しもんで乗るべいか。)馬士うまかたが、(そんなら、ようせよせ。)と言いやす、馬がヒインヒインといばう。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
恋い慕うものならば、馬士うまかたでも船頭でも、われら坊主でも、無下むげ振切ふりきって邪険じゃけんにはしそうもない、仮令たとえ恋はかなえぬまでも、しかるべき返歌はありそうな。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いま、河鹿かじかながれに、たてがみを振向ふりむけながら、しばんだうま馬士うまかたとともに、ぼつとかすんでえたとおもふと、のうしろからひと提灯ちやうちん。……鄙唄ひなうたを、いゝこゑで——
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こうめ、ならぶるなと、藁草履踏みしだいて、叱々とゆふぐれ時、イヤ我ながら馬士うまかためいたり。
逗子より (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
万屋 つまらない世辞を言いなさんな。——全くこの辺、人通りのないのはひどい。……先刻さっき山越やまごし立野たつのから出るお稚児を二人、大勢で守立もりたてて通ったきり、馬士うまかたも見掛けない。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬士うまかたか。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)