香煎かうせん)” の例文
この坊さんは、あるとき京都へ上つて土産に香煎かうせんを買つて帰りました。折よくそこへ檀家の者が訪ねてきたので
小壺狩 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
かね博勞ばくらうかへりみたとき女房等にようばうらつた燭奴つけぎさきけては香煎かうせんくちふくんで面倒めんだうめてたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
香煎かうせんめんのにや、わらつちやいかねえつちけぞ、おめえかね博勞ばくらうはいつた。先刻さつきからわらくせのついてた女房等にようばうらは一にぷつと吹出ふきだしてこな其處そこらにつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
みなみ女房にようばう仕事しごと見極みきはめがついたのでおつぎをれて、そのばん惣菜そうざい用意よういをするために一あしさきからかへつた。女房にようばういそがしいおもひをしながらむぎつて香煎かうせんふるつていた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)