風評うはさ)” の例文
其様そんなことは先生に取つて少しも珍らしく無いのだ、此頃はひど風評うはさが立つてるんだ——山木の梅子さんて令嬢かた
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それ外日いつぞや友人いうじんところで、或冬あるふゆさけみながらおそくまで話込はなしこんでゐたときこと恋愛談れんあいだんから女学生ぢよがくせい風評うはさはじまつて、其時そのとき細君さいくん一人ひとり同窓の友クラスメートに、散々さん/″\或学生あるがくせい苦労くらうをした揚句あげく熱湯にえゆのまされて
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
貪婪の風評うはさありし者。ポルトガルロはポルトガル。
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
誰が言うたか松島大佐も其れが為めにひどく感色を悪るくして居たと云ふのだから、——篠田も最早もはや教会を除名した上は、風評うはさも自然立ち消えになるであらうが、兎角とかく世間は五月蝿うるさいものだから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)