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なんじよ
或はまた山に
九曲あるには、
件のごとくに
縛したる
薪の
輴に
乗り、
片足をあそばせて是にて
楫をとり、船を
走すがごとくして
難所を
除て数百丈の
麓にくだる、一ツも
過ことなし。
前は
東海道岩淵へ
落す
急流、しかもこゝは
釜が
淵と
申す
難所でございます。
或はまた山に
九曲あるには、
件のごとくに
縛したる
薪の
輴に
乗り、
片足をあそばせて是にて
楫をとり、船を
走すがごとくして
難所を
除て数百丈の
麓にくだる、一ツも
過ことなし。
他国の
旅人などは
怖る/\
移歩かへつて
落る
者あり、おつれば雪中に
身を
埋む。
視る人はこれを
笑ひ、
落たるものはこれを
怒る。かゝる
難所を作りて他国の
旅客を
労はしむる事
求たる
所為にあらず。