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際限
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きり
ふりがな文庫
“
際限
(
きり
)” の例文
... 其時俺が、「
左様
(
さう
)
心配した日には
際限
(
きり
)
が無え。」と笑つたことサ。はゝゝゝゝ。』と思出したやうに慾の無い声で笑つて、軈て気を変へて
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「何うかしてあげれば好いって、何うすることも出来やしない。
際限
(
きり
)
がないんだもの。」と、お宮は、怒るように言ったが
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
しかしそれでは
際限
(
きり
)
がない。こんな不安な状態がいつまでも続いていては、周囲の者どもの迷惑ばかりでなく、第一に本人自身の命がたまるまい。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いくら、こうしていても、
際限
(
きり
)
がないので、私は仕方なく、またもう一度、三角暗礁へ帰ることにしようと思った。謎は、ついに解けそうもないのであった。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「まあ内の人はどうしたんだろう。朝寝坊にも
際限
(
きり
)
があるよ、どれ行って起こしてやろう」
善悪両面鼠小僧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
踏みこまねば
際限
(
きり
)
がない! と
気負
(
きお
)
いたった栄三郎が、泰軒にあとを頼んで戸のあいだに身を入れた
間
(
かん
)
一
髪
(
ぱつ
)
! 内側に待っていた氷剣、宙を切って栄三郎の肩口へ! と見えた
瞬間
(
しゅんかん
)
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
高山の夕にも亦やんごとない
僧
(
そう
)
の衣にもある水晶にも
宿
(
やど
)
る紫、波の花にも初秋の空の雲にも山の雪野の霜にも大理石にも
樺
(
かば
)
の
膚
(
はだ
)
にも極北の熊の衣にもなるさま/″\の
白
(
しろ
)
、数え立つれば
際限
(
きり
)
は無い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「斯うしていても
際限
(
きり
)
がないから、……私、
最早
(
もう
)
帰りますよ。じゃこれで一生会いません。」と、
傍
(
あたり
)
を憚るように、
低声
(
こごえ
)
で強いて笑うようにして言った。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
彼が客に見せたいと思う古文書なぞは、取り出したら
際限
(
きり
)
のないほど
長櫃
(
ながびつ
)
の底に
埋
(
うず
)
まっている。あれもこれもと思う心で、彼は奥座敷から古い庭の見える方へ行った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『いえ、私だつて
其様
(
そん
)
なことは解りません。』と銀之助は笑ひ乍ら答へた。『何とでも言はせて置いたら好いでせう。其様な世間で言ふやうなことを、一々気にして居たら
際限
(
きり
)
が有ますまい。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「お婆さん、そう
貴女
(
あなた
)
のように心配したら
際限
(
きり
)
が有りませんよ。今日英学でも
遣
(
や
)
らせようと言うには
他
(
ほか
)
に好い学校が無いんですもの。捨吉の行ってるところなぞは先生が皆
亜米利加
(
アメリカ
)
人です。朝から晩まで英語だそうです」
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“際限”の意味
《名詞》
物事の終わり。かぎり。はて。打ち消しを伴うことが多い。
(出典:Wiktionary)
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
限
常用漢字
小5
部首:⾩
9画
“際”で始まる語句
際
際立
際涯
際物
際物屋
際会
際疾
際中
際敏
際無