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おとうさま
ふりがな文庫
“
阿父様
(
おとうさま
)” の例文
旧字:
阿父樣
私は
阿父様
(
おとうさま
)
を養ふ為に、
賤
(
いや
)
しい商売を致して居ります。しかし私の商売は、私一人を汚す外には、誰にも迷惑はかけて居りません。
南京の基督
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若い令嬢二人は、漱石氏の口から軽い皮肉が転がり出る度にかうした
阿父様
(
おとうさま
)
を持つ事が出来た自分達の仕合せを喜んでゐるらしかつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「なぜでも——もし悪くなると
愛想
(
あいそ
)
をつかされるばかりですもの。だからいつまでもこうやって
阿父様
(
おとうさま
)
と兄さんの
傍
(
そば
)
にいた方が好いと思いますわ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
不好
(
いけ
)
ません不好ません! ルビー入りなんぞッて、
其様
(
そん
)
な贅沢な事が
阿父様
(
おとうさま
)
に願えますか?」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「オヤ不思議だこと、
先刻
(
さっき
)
の流星が
此様
(
こん
)
な物を落して行ったのではありますまいか、不思議と云えば此箱こそ実に不思議なもの、持って帰って
阿父様
(
おとうさま
)
に御覧に入れましょう」
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
殊
(
こと
)
に
貴嬢
(
あなた
)
のお家なんぞは社会の上流に立って
如何
(
いか
)
なる人物とも御交際が出来ますから
阿父様
(
おとうさま
)
のお心掛次第で貴嬢のために如何なる上等のお
婿
(
むこ
)
さんをも択り出す事が出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「あなたはルウズヴエルトさんの坊ちやんぢやありませんか。そんな
下様
(
しもざま
)
の子供達と一緒に遊ぶものぢやありません。
阿父様
(
おとうさま
)
に叱られますよ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの方が
阿父様
(
おとうさま
)
の代から、ずっと御住みになっていらっしゃる、二条
西洞院
(
にしのとういん
)
の
御屋形
(
おやかた
)
のまわりには、そう云う色好みの方々が、あるいは車を御寄せになったり
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「そして
阿父様
(
おとうさま
)
、玉村侯爵のお手紙に
依
(
よ
)
ると、この黄金の腕環を得た者は、同時に更に多くの宝物を得べき幸運を有すと書いてありますが、その宝物とは何んなものでしょう」
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
私は
貴嬢
(
あなた
)
や
阿父様
(
おとうさま
)
に一番美味しい鮎を御馳走をするため近日の
中
(
うち
)
に極く適当な日を択んで一番汽車へ乗って自分で釣に
往
(
い
)
って足りなければ漁夫の持っている鮎の一番上等なのを
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
...
好
(
い
)
いわね、其代り
阿父様
(
おとうさま
)
に願って、お前が此間
中
(
じゅう
)
から欲しい欲しいてッてる
彼
(
あれ
)
ね?」と娘の
面
(
かお
)
を視て、薄笑いしながら、「
彼
(
あれ
)
を買って頂いて上げるから……仕方がないから。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「嘘よ、
阿父様
(
おとうさま
)
がそんな事をおっしゃるもんですか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あ、
吃驚
(
びつくり
)
した。何を仰有つたの。
阿父様
(
おとうさま
)
がガナツシユですつて? ガナツシユつてどんな事なの、ねえ、貴方……」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿父様
(
おとうさま
)
、何か珍しい事なら聴かせて
頂戴
(
ちょうだい
)
な、あら鍵なんかおろしてひどいこと——」と呟けど、博士は知らぬ顔、「お前達の聴いても役に立たぬ事だよ」と、一声云ったばかりである。
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
促せども娘は料理に熱心とて容易に動かず「
阿父様
(
おとうさま
)
、モー少しお待ち遊ばして下さい。まだ二つ三つ先生に
伺
(
うかが
)
いたい事がございますから。先生、ロールパンと申すのはどうして
拵
(
こしら
)
えます」
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
此方
(
このかた
)
が何さ、
阿父様
(
おとうさま
)
からお話があった古屋さんの何さ。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
阿父様
(
おとうさま
)
」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「私には
迚
(
とて
)
も貴方の
阿父様
(
おとうさま
)
にお目にかゝる勇気がありません。」大学教授は娘の
家
(
うち
)
の応接間で、もうすつかり
紅
(
あか
)
くなつて、眼に一杯涙をためながら言つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿父様
(
おとうさま
)
、なんですなんです」と、その跡を追いかけたが、博士は振り向きもせず、別荘の自分の書室に飛び込むやいなや、扉に鍵をピンとおろし、
件
(
くだん
)
の不思議なる書面を卓上に押しひろげ
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
「だつて、君、うちの
阿父様
(
おとうさま
)
は鈴木に入るかも知れないんだもの。入つたら二番目だと言つてたよ。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「だつて
阿父様
(
おとうさま
)
先日
(
こなひだ
)
お話しになつたぢやないの。」と皇太子は自慢さうに言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿父様
(
おとうさま
)
、この人
怜悧者
(
りこうもの
)
なの、それとも馬鹿?」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
阿父様
(
おとうさま
)
、これ
誰方
(
どなた
)
なの。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
父
常用漢字
小2
部首:⽗
4画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“阿父”で始まる語句
阿父
阿父樣