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鏤
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ちり
ふりがな文庫
“
鏤
(
ちり
)” の例文
暫く遊んだ牧人が小
憩
(
やす
)
みをしに傍の叢に横わったとき、その全身に
鏤
(
ちり
)
ばめられたように輝く露の珠は、何と奇麗でしょう。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
路
(
みち
)
に迷いて
御堂
(
みどう
)
にしばし
憩
(
いこ
)
わんと入れば、銀に
鏤
(
ちり
)
ばむ祭壇の前に、空色の
衣
(
きぬ
)
を肩より流して、
黄金
(
こがね
)
の髪に雲を起せるは
誰
(
た
)
ぞ
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小夜子は、三キャラットもあるダイヤの粒の大きいのと小さいのと、それに大振りな
珊瑚
(
さんご
)
のまわりに小粒の真珠を
鏤
(
ちり
)
ばめたのなど、細い指に
指環
(
ゆびわ
)
をでこでこ
嵌
(
は
)
めていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その
鍔
(
つば
)
が朱黄色に染まって、雲が
柘榴
(
ざくろ
)
のように裂け、大噴火山のように赤くなった、その前に立った日本北アルプスの峰々は、
猩紅
(
しょうこう
)
色や、金粉を塗った円頂閣となり、色彩の豊麗な宝石を
鏤
(
ちり
)
ばめた
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
鏤
(
ちり
)
ばめ
言語
(
ごんご
)
に
絶
(
ぜつ
)
せし
結構
(
けつこう
)
の座敷にて
先
(
まづ
)
唐紙
(
からかみ
)
は金銀の
箔
(
はく
)
張付
(
はりつけ
)
にて中央には
雲間縁
(
うんげんべり
)
の二
疊
(
でふ
)
臺
(
だい
)
を
設
(
まう
)
け其上に
紺純子
(
こんどんす
)
の布團を二ツ
重
(
かさ
)
ね
傍
(
かたは
)
らに同じ夜具が一ツ
唐紗羅紗
(
たうざらさ
)
の
掻卷
(
かいまき
)
一
(
ひと
)
ツあり
疊
(
でふ
)
の左右には
朱塗
(
しゆぬり
)
の
燭臺
(
しよくだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
江戸の闇に豪華極まる火の芸術を
鏤
(
ちり
)
ばめるのでした。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鏤
漢検1級
部首:⾦
19画
“鏤”を含む語句
鏤刻
彫心鏤骨
彫鏤
鏤骨
蝕鏤師
金鏤
鏤入
撥鏤
鏤刻琢磨
鏤心彫骨
鏤心砕骨
鏤梓
鏤版
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鏤行
鏤金螺鈿
刻鏤