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錺屋
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かざりや
ふりがな文庫
“
錺屋
(
かざりや
)” の例文
前は二軒長屋の
平屋
(
ひらや
)
で、
砲兵工廠
(
ほうへいこうしょう
)
に勤める人と下駄の歯入れをする人、隣家は宝石類の
錺屋
(
かざりや
)
さんで、三軒とも子供が三、四人ずついた。
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
とうとう
一寸
(
いっすん
)
逃れを云って、その場は納まったが、後で聞くとやはりその女は、それから三日ばかりして、
錺屋
(
かざりや
)
の職人と心中をしていた。
ひょっとこ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
錺屋
(
かざりや
)
に頼んで、もう一つの鍵を造らせたに違ひなく、その鍵は身につけて出た筈はないので、座敷牢の中に隱してゐなければなりません。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それで、今度は普通のチャボの、つまり
背
(
せい
)
の低い方のを探したいと思い、
御成街道
(
おなりかいどう
)
の
錺屋
(
かざりや
)
に好いのがいるという話を聞いたので、また出掛けて行きました。
幕末維新懐古談:57 矮鶏のモデルを探したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「親分、
魚
(
さかな
)
はやっぱり大きいようです。辻倉の若い者に訊いたら、ここのおかみさんを乗せて行った先は、本所のももんじい屋の近所の
錺屋
(
かざりや
)
だそうですよ」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
税関吏は青
褪
(
ざ
)
め切って完全に恐れ入ってしまったが、
淑
(
しと
)
やかなはずの伯爵夫人が
錺屋
(
かざりや
)
と洗濯屋の娘の本性を現して、手錠を
嵌
(
は
)
められた口だけは達者に、ソノ猛ること猛ること!
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「ちえっ、手前の話なんか聞きたかねえや」と目玉をひんむいた
錺屋
(
かざりや
)
の子が叫んだ。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
又錺半さんという
錺屋
(
かざりや
)
の職人がよく出入りしていたが、非常によい腕をもった人で、観音様の御堂に上っている絵馬のようなお供えの額を作って、その小さな一つを今でも私は父に貰って持っている。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
錺屋
(
かざりや
)
、錺職をもって安んじているのだから、丼に
蝦蟇口
(
がまぐち
)
を
突込
(
つっこ
)
んで、
印半纏
(
しるしばんてん
)
で
可
(
よ
)
さそうな処を、この男にして妙な事には、古背広にゲエトルをしめ、
草鞋穿
(
わらじばき
)
で、
鏨
(
たがね
)
、
鉄鎚
(
かなづち
)
の
幾挺
(
いくちょう
)
か、
安革鞄
(
やすかばん
)
で
斜
(
はす
)
にかけ
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さあ……おおかた
錺屋
(
かざりや
)
さんで何かやっているんでしょうよ」
菊人形
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
大阪南区畳屋町に
錺屋
(
かざりや
)
の
源兵衛
(
げんべえ
)
という人があった。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「いや、まだある。向う隣りの
按摩
(
あんま
)
の伜の勇三郎が、
錺屋
(
かざりや
)
へ入つたのを見たものが、町内だけでも三人は居るんだ」
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
芸は
錺屋
(
かざりや
)
の
槌
(
つち
)
の音と「ナアル」(
成程
(
なるほど
)
の略)といふ言葉とを
真似
(
まね
)
るだけなり。
鸚鵡:――大震覚え書の一つ――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
金銀細工は
錺屋
(
かざりや
)
の職ですが、これも普通の錺屋には出来ない芸です。
半七捕物帳:65 夜叉神堂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
比べて見ると、輪の大きさ、足の長さは違ひますが、先は全く同じ寸法で、お里の持つてゐる鍵を見本にして、
錺屋
(
かざりや
)
に造らせたものに違ひありません。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お隣りの
錺屋
(
かざりや
)
との境になつて居る板仕切は、嚴重過ぎるほど嚴重で、覗くほどの隙間もなく、所々にハメ木をしたり板を張つたり、神經質に
塞
(
ふさ
)
いであるのです。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四人の女を殺した四本の簪を役所から借り出して、顏見知りの
錺屋
(
かざりや
)
に鑑定して貰ふと、この始末です。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勝太郎がお喜代を救ひ出したさに、あのあぶれ浪人の檜木風之進に頼んで鍵の型を取らせたと知つて、近所の
錺屋
(
かざりや
)
を當つて見て、錺徳に同じ鍵を作らせたのだらう。
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
續いて平次は、江戸中の
錺屋
(
かざりや
)
を、
虱
(
しらみ
)
つぶしに調べ始めました。贋の小判の精巧な手際を見ると、これはどうしても素人の細工ではなく、相當腕の良い錺屋の仕事と睨んだのです。
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
田屋三郎兵衞が飯田町に住んで本名をそのまゝ
錺屋
(
かざりや
)
をして居ることを、昔の藩中の方から教へられ、同じ中坂のこの家に住んで、敵三郎兵衞を狙つて五年といふ月が經ちました。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すべてが金兵衞と番頭の惣吉の
惡企
(
わるだく
)
みで、樽屋の身上の危なくなつたのを救ふために、惣吉が曾て
錺屋
(
かざりや
)
に奉行したことがあるので、贋金造りを計畫し、更に精巧なものを作る積りで
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何んだ、殺し?——湯島なら
錺屋
(
かざりや
)
ぢやないか」
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
錺屋
(
かざりや
)
を當つて見ませうか」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錺
漢検1級
部首:⾦
15画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“錺”で始まる語句
錺
錺職
錺師
錺子
錺富
錺徳
錺方
錺太夫