金魚鉢きんぎょばち)” の例文
多分たぶん被害者ひがいしゃは、くるしみもがき、金魚鉢きんぎょばちのところまでいよつてきて、くちをゆすぐか、または、はちなかみずもうとしたのだろう。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
金魚鉢きんぎょばちにいれてあるすいれんが、かわいらしい黄色きいろはなひらきました。どこからんできたかちいさなはちがみつをっています。
すいれんは咲いたが (新字新仮名) / 小川未明(著)
いたづらたるものは金坊きんぼうである。初めは稗蒔ひえまきひえの、月代さかやきのやうに素直にこまかく伸びた葉尖はさきを、フツ/\と吹いたり、ろうたけた顔を斜めにして、金魚鉢きんぎょばちの金魚の目を、左から、又右の方からながめたり。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
忘れても二度と夏の夜の金魚鉢きんぎょばちに木のふたをしないことである。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
にわいたえんばな——金魚鉢きんぎょばちから六しゃくほどのへだたりがあつたが、そのえんばなにウィスキイのかくびんと、九たにらしいさかずきが二つおいてあつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
配下はいかのほとんど全員ぜんいん手配てはいめいじておいて、はじめはしかし、島本守しまもとまもるには見張みはりだけをつけ、事件現場じけんげんば金魚鉢きんぎょばち調しらべた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)